※同タイトル前記事

「ガールズオンザラン2nd 仮想9話その1~4」

をご覧になってからお読みください

長いですが、一気にラストまでいきます




テンポのいい曲から徐々に照明が付いてもとの明るさに戻っていく。

その間にどんどん気分が上がってきて最前列のファンの熱気がどんどん増してくる

最前列でサイリウムを振るりくちゃんの姿が見える

その姿を早苗は懐かしく見ている。

そして、ガルラン2がステージに登場した。

自分たちは女子高生をイメージした制服を基調にした衣装だったが、彼女たちは違っていた。

ハーフトップのシャツにレザージャケット、レザーのホットパンツというセクシーでロックな衣装で登場した。

「みなさーん、こんにちわー!!!ガルラン2行くぞー!!!」

最後に登場した仁美が叫びながら中央に。

髪をポニーテールにし、タンクトップと肩ベルトがついたレザーのショートパンツ、すねの中央程までのブーツ。そして腕にはレザーの鋲付きリストバンド

その横にカオル

「あっ」

望が気が付いて声をだす。

カオルは髪を刈り上げたベリーショートになっていた。昨日会ったときは胸元まであったのに。

チューブトップにレザーのジャケット、レーザースカートにスパッツ、グラディエータのサンダル。

メンバー全員黒を基調としたパンクな衣装で揃えていた。

そしてメンバー全員、目の下にそれぞれの担当色の星の形をしたペインティングをしていた。


ガルラン2のキャッチは「五色の顔を持つアイドル」だった

5人それぞれの色をもったコンセプトでのステージがあり、そのコンセプトメンバーがセンターを務める。

他のカラーはまだ公表されていないが、仁美のコンセプトは「ロック」。イメージは赤であった。

そして激しいダンスのステージが始まった。

歌もオリジナルで聞いたことのないものだったが、そのダンスの迫力に圧倒されていた。

ガルラン時代のイメージからの変貌のスゴさに、りくちゃんがしばし呆気にとられていたが、すぐにサイリウムを赤にし声援を始めた。

ただ、こういうイベントに参加してるファンはロックフェスのようなノリをあまり得意としない

いまいちぎこちない感じだったが、彼女らを見たイツキが最初に発した

「カッコイイ」

という言葉の通り、そのかっこよさにその場にいた約600名の観客を一瞬で掴んでしまった。

もちろん早苗たちも同じように激しく楽しいステージの虜となり、大いに盛り上がった。

ときとき仁美やカオルが送るアイコンタクトをしっかり受け止めあっというまの時間が過ぎた。

「改めまして、こんにちは」

仁美がセンターで挨拶を始める

「私たち、五色の顔を持つアイドル、『ガルラン2』です。よろしくお願いします」

挨拶はシンプルだった。

後にわかるのだが、コンセプトカラー毎に挨拶の仕方も違うらしい。

「私はカラーは赤。コンセプトはロック。Hitomiです。よろしくお願いします」

赤担当の仁美が挨拶をし、次々とメンバーが挨拶する

ロックの時はメンバー名も仁美ではなくHitomiとなるらしい。

「私のカラーはグリーン。コンセプトはシンギング。Kaoruですよろしくお願いします」

カオルも挨拶をする

「しんぎんぐって何?」

イツキが早苗に聞く

早苗はえ?って顔をして「歌ってことでしょ。きっと」と説明する

あ~、なるほど、って顔を返し再びステージをみた。

「私達はそれそれにコンセプトを持ちそれに合わせた色をだしてステージに立ちます。今日は私、ロックなコンセプトでしたが、次回どうするかは決まってません」

仁美は自分たちのコンセプトを説明した。

「私たちはまだプレデビューのグループです。また何度かステージに立たせてもらいますが、正式デビューはまだ決定してません」

そう言ってメンバーを見回し

「でも、近いうちに発表したいと思います。どうか楽しみにしててください。そしてガルラン2をよろしくお願いします」

メンバー全員でよろしくお願いします、と頭を下げ、観客から割れんばかりの拍手が起きる。

そしてメンバーが顔をあげ、仁美が叫ぶ

「それでは次の曲聞いてください!」


ライブ後

4人は食事をしていた。

「いやー、びっくりだったね」

早苗がパスタくるくるしながら言う。

「ああいう感じだなんて、私全然聞いてませんでした」

カオルと毎日話しているという望も驚きを隠せない表情で言った。

「きっと秘密にトップシークレットじゃったんやね。それにしてもすごかったなー、仁美達があんなに変わるなんて。しかもかっこよすぎ。私ファンになったかも」

イツキは自分の立場を忘れニコニコしている。

ルミはちょっと複雑な表情で「すごかった。私も負けてられないなー。頑張らなきゃ」

と対抗心を燃やしていた。

「ルミ達もすごいやない。みんなすごすぎだよー」

イツキは興奮冷めやまないといった感じだ。

「いい刺激になったわ」ルミの目は輝いており、更なるレベルアップは近いうちになるだろうな、と早苗は直感した。

ルミはもう以前のギスギスした感じは失せ、素直で真摯に自分と向き合い、ミラクルガールズに取り組んでいた。

「今はホタルと一緒にやっているのが本当に楽しい。ジョビ吉先生の指導も厳しいけど楽しい」

とルミは充実していることをみんなに伝え、これからレッスンだからと、早々に別れた。

「じゃあ望、見送りにいけなくて残念だけど、気をつけて。元気でね」

「うん、ありがと。ルミもがんばってね!」

いろいろあった二人だったが今はこうして仲良くしていられることが何より幸せであると望は感じていた。

「じゃあ、わたしもそろそろ」

イツキも立ち上がる。彼女もこれからレッスンなのだ

「次はいよいよイツキの番だね」

「うん」

「応援に行けなくて残念ですが、あっちで成功を祈ってますね」

「ありがと、望ちゃん」


イツキは二ヶ月後にデビューが決まっていた。


イツキのプロモーションについてはプロジェクトが発足していた。

地下アイドルをメジャーのトップにのし上げるためのプロジェクト。

タガミの務める芸能プロダクション全体で打ち上げたプロジェクトで事務所所属のタレントすべてを対象とした審査を秘密裏に行い、イツキが選ばれた。

ガルランからソロになるために脱退させることは不可能であると判断した事務所側は、ガルランを解散させることを選択しそれを実行し、イツキはソロとしてデビューすることを選んだ。

ガルランを解散させるにあたり、事務所として本当にやる気のある者はチャンスを与えるという意味でガルラン2を企画した。ただし、それまでのコンセプトは廃止しイツキ同様プロジェクトとして鍛え直しメジャーの頂点を目指せるグループを作り上げるものだった。

カオルと仁美は厳しいレッスンを耐え見事デビューを果たした。


イツキはソロとしてデビューさせる為とくに厳しいレッスンを受けていた。

歌や踊りの他、舞台、ステージ、その先のドラマや映画をも考慮しお芝居もレッスンしていた。

イツキは自分の夢、早苗との約束、そしてそこまで自分のために動いてくれたスタップや関係者への期待に応えるために必死にレッスンに耐え、見事デビューするまでに至ったのだ。


プロモーションはまずネット配信から始まった。

正体を明かさず、顔もかくしてPVを作成し、徐々にその姿を現すようにしていった。

やがて人気がでてくるとメディアが取り上げ、一度だけ仮面をつけてゲリラライブを行った模様をネットに配信し、さらに話題を呼んだ。

そしてついに、全てのベールを脱いでイツキはデビューする

デビューイベントはソロライブだった。

メジャーアーティストも使う一流のライブハウス。

チケットは発売5分で2000枚すべて売り切れた。

あまりの反響に運営側も驚き、急遽追加ライブをすることを決め、告知後の販売もすぐに売り切れた。

そのことも話題を呼び、すでにいろんなメディアからオファーも来ていた。


今日のライブはネットメディアの同時配信もあり、その会場にいない望やルミもネットから見守っていた。

そして早苗は会場の最前列にいた。

「絶対に彼氏と来て」

というイツキの願いに仕方なくOKをし、隣に彼氏がいた。

早苗は彼氏を誰にも紹介していない。理由があってひた隠しにしていた。

「これはこれでびっくりするだろうね」

早苗が彼氏に言う。その顔はやはり信頼を委ねている恋する女の子の顔だった

「なぁ、やっぱりいつものように応援したいんだけど」

彼氏は居心地が悪そうに早苗に言った

「だめ。今日は普通にしてて。あっちは禁止」

「とはいってもなぁ。これ持ってきてるからバレるだろ」

そういってリュックを持ちあげる

「それでもだめ。私といるときはアレはしないって約束でしょ?」

「・・・うー」

そう唸って彼はそのリュックを足元に置いた

開始まであと少しである


前座とMCを務めるのはガルラン2だった。

楽屋ではガルランとイツキが準備していた。

「イツキさん、もうすぐですね」

カオルが声をかける

「うん」

イツキは緊張した表情で鏡に向かっていた

今日初めて自分の顔をだす。

「今日は私たちがしっかり盛り上げるから、がんばって」

仁美もイツキの肩を叩く。

「ありがと。仁美、今日はよろしくね」

ガルラン2が呼ばれた。

最初に2曲歌わせてもらうことになっている

今日はアイドルコンセプトのガルラン2らしい。可愛いフリフリの衣装だった

イツキは立ち上がり、改めてガルラン2メンバーの方を向き、

「今日はよろしくお願いします!」

と頭を下げた。

「よろしくお願いします!」

とガルラン2メンバーも受けた。そしてステージへと向かって行った


一人残ったイツキは目を閉じ、これまでのことを思い返していた。

博多から出てきた時の事、早苗と二人で歩き始めたときの事、ガルランを始めついに解散した時のこと。

いつも早苗と一緒でいつも早苗と泣き、喧嘩し、感動し、笑い合ってきた。

早苗がいたから自分がある。

今日はその想いを背負って自分の道を踏み出す姿を見てもらおうと思っていた。

もうガルランの自分には戻れない。そしてもっと厳しく素晴らしい世界へと乗り出していく。

「見てて、早苗」

ガルラン2の前座が始まった。

同時にイツキも呼ばれた

「よし!」

イツキは立ち上がった。


ガルラン2も正式デビュー前だが多くのファンを獲得していた。

ガルラン2の熱狂的ファンである早苗の彼氏は我慢できなくてとうとうサイリウムを振りだした

早苗は予想していたのか、それをたしなめることなく一緒に応援していた

背負い直した彼のくまモンリュックが揺れる

そしてガルラン2はそのままMCとして残り、ついにイツキを呼んだ。


舞台の袖で待っていたイツキを仁美が呼んでいる

スタッフが合図を出した。

イツキは気合を込めて吼えた。

「しゃぁーーーーーーーーーっ!!!」


イツキは光り輝くそのステージへ歩みだした。

自分の進む道をを信じて


Fin


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物語はこれで終わりです。


関わった主要メンバーのその後を考えて書いていくうちにどんどん長くなってしまいました。

ここから先の事も考えることはできますが、僕が作った世界ではないのでそれは控えます。


掲載を許可いただいたピカマイ運営、ならびに脚本された万吉さん、ありがとうございます。

なにかの折に感想など言っていただけると幸いです


長々と読んでいただいた皆様、お付き合いくださいまして本当にありがとうございました