ゴッホより 普通に・・
クリスチャン・ラッセンの絵を初めて観たのは1980年代でした。
正規の版画ではなく、量産品の印刷物でしたが、それでも二万円以上していたと記憶しています。
その世界観は・・美しい・・すばらしい・・と、ひたすら仰天しました。
ま、私は結局購入まではしませんでしたが(後に画集は購入しました)
ラッセンの絵は80年代・90年代に大ブレークし、マリンアートとかネイチャーアートなどと呼ばれて、その系統の作家の作品も大いに注目を浴びてました。
その後ラッセンはなぜだか悪徳商法スレスレ(つーか、かなりはみ出した)の販売方法に手を染め、現在では悪名が広がって、美術業界を中心に忌み嫌う人が数多くいるそうです。(たぶん背後にラッセンを言葉巧みにそそのかして甘い汁を吸っていた輩がいたんでしょうけどね)
私はそんな騒動があったことをつい最近まで知りませんでした。1990年代後半からラッセンに対する興味をすっかり失ってましたから。
なぜ興味を無くして行ったかというと・・
だんだん作品が何というか・・世間に、特に子供や女性に媚び出したというか
色彩がケバケバしくなったし、必要以上に可愛らしくイルカを描いたり
挙句にディズニーとコラボしたり―
すっかり絵が『商業製品』になってしまいました。
これが悪いこととは言えないのかもしれませんがね・・
私は80年代のラッセンが好きです
たとえばこの絵・・私が最も好きな作品の一つ
魚たちは現実の色彩に近く美しいのだけど、決してケバケバしさは無い
『ぼくの大好きなハワイの海、この絵の中に全部描き入れまあ~す』という純粋な想いがはっきり伝わってきます。(私の気のせいかも)
こういう画をまたラッセンが描いてくれると嬉しいのですがね
ラッセンにもライバルがいます。たぶん世界中にはたくさんいるのでしょう。
そこら辺はあまり詳しくないのでお二方ばかり紹介したいと思います。
ロバート・リン・ネルソン
ラッセンのライバルというより、こちらの方がマリンアート、特に海中と海上の景色をひとつの画面に描くという手法の先駆者だそうです。
描く世界観は同じですが、当然ですが作風がけっこう違いますね。
玉神輝美
日本のネイチャーアートの作家さんです。
海中を描くマリンアートの作品ももちろんありますが、淡水魚や熱帯のジャングルを描く方が得意のアーティストのようです。
HPへ行けば、すばらしい作品の数々を見ることができます。
http://www.tamagami.com/index.html