府中市美術館で26日まで、開催されてます諏訪敦の個展に行ってきました。

 

 

 

右じゃないよ~。

 

諏訪敦展は、これで3度目になります。

2008年「複眼リアリスト」が初めてでした。この方がどんな人なのか分からず、絵だけで想像して、感性が研ぎ澄まされた”怖い人”とのイメージというか、付き合いづらい人なんだろうなって印象でした。

 

2011年「どうせなにもみえない」は、NHKで「記憶に辿りつく絵画~亡き人を描く画家~」の恵里子さんの肖像画で、思い描いたイメージからは、見る目が思いっきり変わりました。感動しました。

 

会って話を聞いてみたい衝動で、諏訪市美術館まで行きました。

 

振り返ると、今回は久しぶりです。

NHKの時は、小さな息子さんを抱えて登場されたのが、記憶に残ってたのですが、その息子さんも高校生(もしかして大学生)なんだなって。

 

今回の予習に良いタイミングで、BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」で、ご本人が登場されて、絵の解説をされてました。そのおかげで、何を伝えたいのかが良く分かりました。

 

ぱっと見、繊細なのとグロテスクな絵が共存しあって、きれいな写実画ではないところが、この画家の良さだし、解説で知って感動したのがこの絵です。

 

 

グロテスクでしょうが、全然伝えていることは違うし、感銘しました。怒りですよ。

 

眼窩裏の火事って、私も時々悩まされている閃輝暗点という偏頭痛の予兆症状を絵に表現されているんだそうです。

 

 

なんか図録に説明されているのですが、ご本人相当悩まれているんだろうか。

 

第二室の展示会場は、小さな静物画でまとめています。

展示の演出がセンス良いというか、展示会場は真っ暗で、絵だけが浮かんで見えます。

 

一瞬、タブレット端末の画面に絵を表示してるだなって、バックライトもこのぐらい明るくしないと見えないよなって、よ~く見てみると、天井からの小さなスポットライトで、絵だけを浮かび上がらせているだけでした。

 

どんなに絵の前に近づいても、こちらの影が生まれることもなく、展示演出が良いなって感動しました。府中市美術館だからできるんでしょう。

 

そういえば、どの絵にも画家のサインはありません。

描かない方なのでしょうが、この方のサインは、実はすごくきれいで絵のようなサインなんですよ。

 

この絵を見ていて、共感できるものがあります。

 

 

こんな階段の踊り場の風景って、もちろん何も見えないし、霊感なんかもないんだけど、自分だけ何か見えてそうな感じがあって、なんか表現してくれて、ありがとうって言いたくなりました。絵って良いよな!