「マイ・ボディガード」
おい、どこの馬鹿だよ、この邦題つけたの→ちょっと怒り。

なぜこの邦題になったのかとてつもなく疑問です。
原題は「Man of Fire」まんまでいい気がするんですけどね。
だって、この映画、「ボディガード」の話じゃないんです。「ボディガード」なんて始まってから30分くらいで、後は「復讐劇」なんですよ。ケビン・コスナーの「ボディガード」にあやかりたいんだろうけど、誤解して見に来た女性だったらぶっ飛びますよ。しかも結構過激で、これ子供見れないなー指定ついてたっけ?などと冷静に考えたほど、凄惨なシーンが多い。私はアクション好きなので全然平気ですが、痛いシーンが苦手な女性は辛いかもしれませんね。

「中南米では6時間に1件の割合で誘拐事件が起こり、その被害者の70%は帰ってこない」

誘拐犯を一人と断定しきれないほど、関わっている人々の役割分担が明確に分かれ、且つ複雑に利益が絡み合い『誘拐』というビジネスが確立している街――メキシコ。冒頭から流れるこの台詞にそれが凝縮されている。
凝った映像は非常にスタイリッシュで、メキシコの雰囲気を上手に表現しているが(流石、トニースコット!)ちょっと目が疲れてしまう。最近こういうの多いなー。そして話は2人の心の交流を描いていく前半から、本領発揮のアクションシーンへと怒涛のように移行していく。その切り替えは全く持って見事。

自分の行いを『仕事』で割り切ることが出来ず、その罪の意識で酒浸りの生活を送るグリーシィがピタによって救われる。だからこそ、その救いを奪われた後の復讐劇に正当性を見出してしまうのは私だけでしょうか。
後味は悪いです。しかし、国家の為に人を殺し、私怨の為に人を殺した。
そうした彼が生き抜くことを選ぶとは思えない(デンゼル・ワシントンのクリーシィは)
だからこれで良かったかと思いました。

by sai