唐突ですが、皆さん、愛する人はいますか?
私は未だに愛について悩む、かわいそうな子羊です。
いえ、図体だけはでかいので大型の羊です。
いえいえ、そんなこたぁ、どうでもいいのです。

昔、エーリッヒ・フロムという心理学者のおじさんがいました。
彼は「自由からの逃走」という名著を1941年に世に出しましたが、この本は今でも心理学を学ぶ学生のみならず、生きることを深く模索しようとする若者によって読み継がれているすばらしい本です。
と、早速脱線してしまいましたが、今回は彼が残したもう一つのすばらしい作品「愛するということ」についてご紹介したいと思います。

「愛するということ」は、次のような一文で始まります。

「 愛するということは、技術である。 」

一瞬妄想が怪しい方向に向かってしまったあなた、罰として反省文です。
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この一種違和感を覚えることば、「技術」ということばは、原文では「art」となっているのです。

「Love is an art」

すばらしいことばだと思いませんか?
「art」とは、昔から繰り返されてきた人の営みそのものを指し、愛するということは鍛錬のもとに成り立ち、かつ任意の形で表現されるものである、というようなことを意味しているのだと思います。
自分でも何を言いたいのかよくわかりません。
とにかく、様々な意味が含まれる概念としての「art」ということばを表す日本語として、翻訳者が苦心の末に選んだ単語が、きっと「技術」ということばだったのでしょう。

愛は胸の奥から自然とあふれ出だす。
そんな考えを持っていた私は、この本を初めて読んだとき、衝撃をおぼえたものです。
常日頃からの鍛錬が愛を生み出すのだと、ふさわしい場所を掘り起こさないと泉は湧かないのだと、何となくしょんぼりな気分と同時に小さな希望にも似た思いがしみ出すのを感じました。

最近、あなたの恋人さんとの関係は良好ですか?
お母さん、お父さん、兄弟姉妹、友人などなどなど。
あなたの周りにはきっとたくさんの愛すべき人々がいると思います。
彼らに自分の思いを伝えることに難しさを感じている人がいたら、一度この本を読んでみることをおすすめします。
きっと小さな光が見えると思いますよ。

merino