毎日、夜になる度に
あぁ 今日も死ねなかった… 明日は死のう…
と思って寝るのが日課になってしまった。


当時、フレックスタイム制の会社に勤めていた。

明日は、昼からか…

仕事帰りに100鈞に寄り
果物ナイフを買って帰った。


朝、同棲してた元夫が仕事へ出ると
予め書いていた遺書を洗面所の目立つ場所へ置き
風呂場でリスカしていた。


だけど、100鈞のナイフじゃ切れないの なんのって
あ、ここからは生々しいので、
気分を害する恐れのある方は読まないでね!


きっと、勇気も覚悟も無かったんだろうけど、
(そんな勇気も覚悟も要らないけどね)
つくのは、ためらい傷ばかり。
涙は出るし、でも死ななきゃ!て思って
グッといったんだけど、
血がだら~りとも出ないの。
せっかく湯船にお湯溜めてたのにね。
よ~く見たら、白く筋みたいの見えてて
この筋 切らなきゃ駄目かな~ けど、痛そう
なんて考えて…

いま考えるとさ
痛そう(>_<)なんて思ってたら死ねないよな。


で、その筋 切るの諦めて
少しズレた場所をもう一回 グッと。


やっぱり、傷の周りに血は溢れるけど
テレビみたいにダラーとは なんない訳よ。


そこまでやって、なーんか馬鹿馬鹿しくなってね

やめた やめたー って。

結構、パックリ傷口はいってたけど
大きい絆創膏 貼って、
仕事へ行ったよ。


すぐに汁でベチョベチョなるから、
しばらく大量の絆創膏を持って出勤してた。

傷口の治りも早くて、
人間の回復力って凄いなぁなんて思ったな。


遺書は、やめた その場で破ったし
治るまで気をつけて隠していたから
誰にも気付かれなかった。


左手首に白く傷跡は残っていて、
夏場 ちょっと油断した時に傷跡を見られ
「どうしたの?」
と聞かれると火傷の跡とごまかしたりしてる。


リスカは、この時だけで
それから一度もやっていない。


多分、リスカでは死ねない…と痛感したからだろう。

そして、リスカした事で吹っ切れたのか
この時の、鬱も すっと
消え去った。
その後、数年は普通に過ごせていた。