営業職をしていると相手との会話で困ることがある。
その為に、日々話題の引き出しを増やそうと新聞やインターネットからインプットしているのだが、こちらから喋るだけでは相手とのコミュニケーションを親密にするのは難しい。

また上司や部下といった人間関係を円滑にするにも、相手から引き出す技術が必要だ。
そんな時は話す技術よりも、聞く技術を身に付けた方が良い。

本書は、その聞くためのコツ(現象ではなく感情に共感する、相手を認める、など)を数多く紹介してくれる。

ただ66個とコツの数が多い事で、覚えるのが難しそうだと尻込みさせてしまいそうなタイトルなのが残念。
66個といえど原則自体は多くないので、読んで自分が使えるものを知識として落とす作業が必要だろう。



誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール

誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール

  • 作者: 野口 敏
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2009/07/21
  • メディア: 単行本



今回紹介するのはビジネスの考え方が学べるP.F.ドラッカーの「365の金言」だ。

金言とは、記事タイトルに書いたように、人生や生活の上で尊重し模範とすべきすぐれた格言のことを指す。

本書は1ページ1日として構成され、365日分の金言が記されている。
(正確には2月29日分もあるため366日分)
日替わりカレンダーのように気軽に読めるのが特徴だ。

ドラッガー自体、経済のことを広く研究していたこともあり、すべての言葉は、様々な分野に応用がきく内容として書かれているため、そこから「何をどうするか」は読み手に考えさせる本だ。

その為、今のままで良いという方にはお勧めできないし、人から搾取することを考えるだけの経営者にもお勧めはしない。

お天道様に顔を向けた経営について学びたい方、自分とは別の考え方をインプットしたい方、経営者の考え方を知りたい平社員の方などにお勧めしたい。

また、他のドラッガーの本と異なり、1日1ページ、そして文面もそれほど多くないため、ドラッガーの経営学入門としても使える。ただし、1ページあたりの文章量が少ないため、深い内容を知りたい場合は本書だけでは物足らないかもしれない。


ドラッカー 365の金言

ドラッカー 365の金言

  • 作者: P.F.ドラッカー
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2005/12/02
  • メディア: 単行本



先月、軽装版が出て買いやすくなった本書。

社会人になってからというもの、会社の方針・社内のやりとり・顧客との間など、様々な人間関係が生み出されていくことと思う。
そして人間関係が多くなればなるほど、「カチン」とする場面に遭遇することも多くなるだろう。
そういった時、どのように対処するかが精神論だけでなく、具体的な行動方針として記述されているのが本書だ。

シチュエーションに対しての例も載っているので、"子供のような返答をする"前に、本書を通じて"大人と感じさせる返答"を勉強し、相手から見直される大人になることも可能だ。

人間関係にもテクニックが必要だということが分かる本書。
人との付き合いをコントロールすることが必要な多くの方にお勧めできる書籍だ。




「カチン」ときたときのとっさの対処術(軽装版)

「カチン」ときたときのとっさの対処術(軽装版)

  • 作者: 植西 聰
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2010/01/21
  • メディア: 単行本