石持浅海『あなたには殺せません』

とてもロジカルな作風の作家さん。確か『アイルランドの薔薇』だったと思うのだが、初めて読んだ時は、おおー、なるほどねー、と思った。それ以来、書店で未読の本を見つけると、時々読んでいる。

今回の作品も、作者の持ち味がとても良く発揮されていて、楽しい。

犯罪発生を未然に防ぐべく設立されたNPO。相談員が、誰かを殺したい!という欲求を持った犯罪者予備軍と面談をし、話を聞き、彼らの企ての無謀さを指摘して、犯行を思いとどまらせる…はずなのだが。


この作家さんの特徴として、頭から尻尾まで心の声が説明されるため、逆説的に心理描写の深みは感じにくい。なので、人間の強い情動などを堪能したい方にはあまりお勧めしないけれど。

論理ゲームを楽しみたい気分なら、ぴったりだ。

このドライでサラッとした感じ、たまに摂取したくなるのよね。のめり込んで連続で読む作家さんとは少し違うけれど、今回も期待通り、面白く読みました。