絶対に言う。
新しく引っ越した仕事場を見て
「畑をやればいいのに」

この言葉をすんなり聞ける時と
引っかかる時がある。
口にする人が姑に近い存在か
そうじゃないかで受け入れが全く違う。

人って盛り沢山な負担と可哀想を知ると
同情めいた感情で態度をあらわにする。
近所のクレーム対応だの、
出ていく為の土地が見つからないだの、
先立つお金がないだの、解体費だの、
事業継承のマイナスだの、相続の裁判だの、
そんなのが目白押しだった頃。
「いい給料を貰えてるの?」なんて
夫の目の前で私に茶化すように言う人までいた。

掘っ立て小屋のスレート造の事務所は
底冷え、タバコの匂い、すきま風、虫の死骸。
暖かくなれば生きてる虫も何でもこんにちは。
汲み取り式のトイレの臭いと虫との戦い。
30年以上染み付いたタバコのヤニは
事務所の壁を茶色くしてた。

ヤニ落としを使って事務所の壁を数回
洗ったのを思い出す。
それでもあの壁の白さを姑が気づくこともなかった。
引っかかるところは嫁の態度、存在そのもの。
負けたくないみたいなプライドで
やたらと上から目線の言葉。

義父が亡くなった時にだけ
姑は義父のタバコで茶色くなった
自分の家のリビングの壁を
嫁の私に拭かせた。任せたにしておこうか。
自分の息子2人にではなく私に。
自分は長男息子と仏壇のお買い物。

私1人が掃除用具を持って家に来たとき
玄関まで出迎えることなく
「お掃除の人が来てくれたわー、どうぞー」って
声だけかけてくれた。
ダイニングの椅子に座って足を組み
背もたれに深く座ったままお茶菓子食べてた姑。
体を起こしもしなかった。

今はその過去もないものになってる。
義両親が作ってきた環境のマイナスなんて
いつの間にか無かったことになってる。
姑が背合ってないから?背負った私達が
嘆いて言葉にしないから?
無かったことにさてるけど、
こちらが何も我慢してないとでも?
それでいて新しい新居へ呼ばれてないだの
事務所にも行ったことがないだの。
勝手なことばかり周りにふれまわる姑。

いつもみたいに厚かましい態度で
自分から強引にくればいい。
週2でしている仕事で私を引き合いに出すなよ。
確かに私はお留守番してるだけの飾りものですもの。
あの嫁が働きに出ればいいじゃないみたいな
そういう立ち位置で演出するのやめてください。
あなたに今の私の代わりはできないですよ。

突然にこの環境があるわけじゃない。
親の事業を引き継いで義両親の負債を背負って
この場所まで7年かかってる。
負債はまだ返せてない。
金利は上がる。
義父が亡くなってからお金が入ったとでも?
親のお金で広い土地と新しい事務所が
手に入ったとでも言いたいのか?
何の援助も無い。それどころかあとは全て
こちらにお任せの義両親。
義父は記憶がはっきりしているギリギリまで
自分ができる範囲で何かで返そうとしてた。
それに比べ姑は無責任だった。
申し訳なさそうにするなら今までの態度は
一体何だった?
結局は全て丸投げのその姿勢はなんだろう?
さも当たり前に今があるわけじゃない。

姑側だけを見て勝手にこちら側を
枠に当てはめようとするのはやめてくれ。
広い土地は夫が事業で何か活用できないか
頭を悩ましている。
その雑草処理をするのは私だ。
除草剤をまいて土地周辺のごみや
変わったところがないかを見回る。
所有者の管理一つで見た目は変わる。
活用法が決まってない土地に
突然借り手が決まったら?
事業の新しい用途が見つかったら?
その為にあけて置くという価値観は?
ただ何となく無駄なスペースを遊ばせてると
思うならそれは無責任なあなたの意見よね。
当事者じゃないぬるいところからの意見よね。

管理と維持がどこまで地味で今後の選択を
左右するのか知りもしないから。
「畑でもやればいい」
それはこの土地の支払いが終わったあと。
そんな気がする。
最後は売れてほしい。
なんの管理もしないで雑草が
この程度で済んでるはずないだろ。
撒いた除草剤の影響を知ってます?

私のお給料を気にしてくれていたあの男性は
新しい事務所に来てくれた。
今までは何処か優越感と余裕な態度だったのに
私には妙に冷たい態度で接してくれた。
自分の方が上だと思っていた頃の方が
優しくて愛想がよかった。
私の態度が悪かったのかもしれない。
自宅が事務所のあの男性にとって、
吹けば飛ぶような事務所にいた頃の私達は
可愛く映ってたみたいだった。


ほんとに人って勝手なの。
なんの責任も取ってくれない奴らほど
自分にとって心地良い言葉をかけてくる。
何故か団塊世代を生き抜いてきた方達は棘があった。
私達と同じ世代の人からの目線は、
いつもと同じ様に見えて
ひりついたものもあった。
どんな場合でも相手の見えない負担なんて
分からない。
知りもしないんだからあんたらの物差しで
勝手に測るなよ。

この一歩は誰にでもできるけど、
簡単に一歩が踏めるわけでもない。
同じ方向になるわけでもない。
比べるな。目につくなら自分で変えてくれ。