しっかり言うと地元ではないの。
長い歴史がある百貨店。そこに馴染みのない私ですら、その場所に入ると敷居をまたぐ感覚がある。少し坂を登ったテリトリーに入った感覚。働いている人にそれがあるのかは知らないけど。


行くと毎回思う。その階ごとの独特の雰囲気。人間観察をする店員さんの視線。接客をする為に備わった能力があからさまだと不自然で、それを見ていると不思議な感覚になる。お客も商品だけを見てるわけじゃないから。

にしても、人間観察に費やする多くの時間がお仕事なのだとしたら、とても楽しそうで。サブスクにまかせて、自分からは何もしなくて良い環境の中で働いているみたい。もしもその観察によって接客のフォローができるなら、的を得ていて優れているってことなのかも。

ジトーっとした視線をお客に向ける店員さんは決まって暇そうだし。新人さんだからじゃない。パット見てさっと判断するとかじゃない、上から下までジトーっと見尽くすあの視線。何に困ってる、何を探してるとかじゃない。
こういうのに、おもてなしはもう無い。
ここの地元特有なのかな。


暇を持て余す観察に時間を費やしてる仕事。私もそういう仕事があった。その仕事にプライドはなくて、自分の仕事と立ち位置に何の意識もない。だからそんな感じの人達が、中にはいるんだなってこちらも見ている。
スーパーの店員さんの接客がよっぽど心地良いのなんでなんだろって。

接客してない時ほど、お客からは見られてるのを知ってるはず。ここの店員さんだって外に出ればお客なんだから。
人間査定を仕事にしているその姿勢を、お客も見ている。人を見る目で。


おもてなしされたいと思って来てない。それを望んでもない。欲しいものを買いに来ただけ。
それがたまたまココにしか無かっただけ。
きっと私は、地元のココで店員さんがいてくれて良かったと思ったことが少ないんだと思う。何かものを買うときに、この人がいてくれて良かったと思うことはほとんどない。家具や飲食店や宿泊でならあるのにね。

買い物だと百貨店に限らず、このお店があって良かったのほうが記憶にある。現物を見れて良かった記憶。良いものを買ってないからなのかな。それでいいのかも。笑
そうなのかも。