サッカーにこんな表現があるのを

ご存知でしょうか?



トマトケチャップがドバドバ出る



ゴールできずにいたフォワードが

1得点すると

続けてゴールを決めはじめること




というわけで

ビートルズをもうひとつ



今回は



Lady Madonna / The Beatles

https://www.youtube.com/watch?v=Q8SnIII46oQ



レディー・マドンナ

脚もとの子どもたち

どうやって食わせていくんだい?

家賃はどうやってやりくりしてるのかい?

カネってのは天からの贈り物だなんて

思ってるのかい?


金曜の夜は

スーツケースなしでやってきて

日曜の朝は

修道女みたいに忍び歩き

月曜日には

子どもたちは靴ひも(ブートレース)を結び

見てごらん、彼らの走りっぷり(ラン)を


レディー・マドンナ

おっぱいを吸う赤ちゃん

他の子どもたちには何を食わすんだい?

見てごらん、彼らの暮らしぶり(ラン)を

レディーマドンナ

ベッドに横たわって

頭のなかに流れる音楽を聴いている


火曜の午後は

終りがやってこない

水曜の朝は

新聞が届かなかった

木曜の夜には

君のストッキングは穴があいている

見てごらん、彼らの暮らしぶり(ラン)を


レディー・マドンナ

脚もとの子どもたち

どうやって食わせていくんだい?







ポール・マッカートニーの作品です


マドンナ=聖母マリア(キリストの母)

普通なら発想するわけですが

この歌のマドンナさんは

子だくさんで生活に追われ&疲れており

ちっとも聖母感がありません







レディー・マドンナは

英国では17枚目のシングルとしてリリース



15作目 1967.07 愛こそはすべて/ベイビー・ユー・アー・ア・リッチ・マン

16作目 1967.11 ハロー・グッドバイ/アイ・アム・ザ・ウォルラス

17作目 1968.03 レディー・マドンナ/ジ・インナー・ライト

18作目 1968.08 ヘイ・ジュード/レヴォリューション

19作目 1969.04 ゲット・バック/ドント・レット・ミー・ダウン



注目したいのは

レディー・マドンナは1968年の作品で

ヘイ・ジュードの前にリリースされた作品だと言うこと



ヘイ・ジュードは次の側面があります

①ジョンの離婚が近づき、その子に向けてポールが作ったもの

②ビートルズの作ったレコード会社アップルからのシングル第1弾



Hey Jude / The Beatles

https://www.youtube.com/watch?v=kl2pFgEywng




①ジョン・レノン離婚(ヨーコ台頭) の線で考えると


レディー・マドンナとは

ジョンを失い、ひとりで子供を育てていくであろう

シンシア・レノンのことをイメージしているのだろうか?


ヨーコに御熱になるジョンを敬遠するように

その調子だとシンシア&ジュリアンが

たいへんな思いをするかもよ…と

さりげなくポールが歌ったのかもしれない



ポールは1942年生まれなので

第二次世界大戦(1939-45)の最中に生まれています


ジョンらビートルズのメンバーも

戦中生まれです


まわりには

未亡人や戦争孤児もきっといたはずであり


ジョンやポールは幼くして親を亡くして

寂しい思いを抱えた経験があります


そういう記憶を刺激しようとした??



別の視点で言うと

ヨーコも子持ちだったし

リンダ(前年1967年にポールと知り合う)も子持ちで

ビートルズのまわりにはシングルマザーであっても

ばりばり活躍している女性もいた



そう

私はこの線でレディーマドンナを考えていたのです


ジュードの母シンシアや

キョーコの母ヨーコや

気になる存在リンダのような

女性たちのことをイメージしながら

ポールはソングライトしたんじゃないか…と




でも

私は②の線かな…と思うようになりました




②アップル&チルドレン の存在


1967年にマネージャーのブライアン・エプスタインが亡くなり

自分たちをマネジメントする存在がいなくなったビートルズは

アップル・コアを立ち上げます






1968年に設立したアップル・コアは

アップル・レコードのほかにも

ブティックなども展開するものの

行き当たりばったり&適当の

放漫経営だったため

スタートして早々、ジョンが

「このままじゃ、俺たち破産だ」と

心配する状態に陥ります



マドンナとは自分たち、ビートルズで

子どもたちとは

アップルの従業員、関係者なのかもしれません


靴ひもを結んで走るという歌詞も

ちょっと単語をいじれば

ブートレッグで経営する…と

皮肉っているようにも解釈できます



あるいは

子どもたちとは

ビートルズ・チルドレン…


ビートルズに憧れていた

ロックバンド、ミュージシャンが育ってきた


自分たちの時代は終わり

次世代が第一線で活躍しはじめている…という

危機感もあったのかもしれません

(つまり、アップルの経営は、ますますヤバくなる)






レディー・マドンナが何者なのか

私はポールのコメントを読んだことはありません


漠然と女性全般をみて感じたことを

歌詞にしているという説があるらしいけど

いまいちピンとこない

(ウーマン・リブというやつ??)

(そっちはジョン・レノンの主戦場ではないのか?)


他の何がしかのメッセージを籠めたからこそ

シングルにしたのではないか



漠然とした女性たちを歌っているのではなく

きっと何がしかのメッセージ、想いを

ポールは歌詞にしていると思うのです



この時期のビートルズのシングルは

ちょっとバカっぽい内容でも

よくよく咀嚼すれば

ちゃんと意味、裏付けがあります

(少なくとも私はそう思います)


レディー・マドンナだけが

その例外とは思えないのです

ですから

この当時のビートルズの環境や

ポールの背景、状況を考えると

こんなところかなぁ…と思うのです





追記
レディ・マドンナ=Ready Madonna
と読み替えれば
女性の社会進出、台頭する社会の歌と
曲解できる??