アビー・ロードはビートルズが
最後に作ったアルバムです


ビートルズがグループとして
結束していたのは
恐らくサージェント・ペパーズまでで
そのあとはバラバラというか
まとまりのない状態になっていたように
私は思います


マネージャーの
ブライアン・エプスタインが亡くなり、
グループとしての取りまとめの役割が
なくなってしまいます


箍(たが)が外れたようなかっこうで
ガールフレンドや家庭に気がいったり
映画に出たりインドに没頭したり
ドラッグや新しい活動をやってみたり
レコード会社を作ってみたり…


レコーディング技術が向上し
メンバーが揃わないと録音できない…は
もはや過去のことになりました


マジカル・ミステリー・ツアーは
ポールが発案して進めたテレビ映画です


行き当たりばったりで
それまでのビートルズという
グループにあったマジックが消え
彼らがやっても失敗することもある
…そんな印象、事実を残しました


ホワイト・アルバムは
タイトルこそバンド名ですが
4人のビートルが
適当につるんだり、
ひとり/仲間と作ったものが
放り込まれたような二枚組です


リンゴがやりきれなくて
スタジオを去ったりしています


この時期のビートルズは
名義はグループでしたが
4人のソロ、個人がそれぞれ動いている…
そんな状況になっていました


アルバム「レット・イット・ビー」の
マテリアルとなってゆく
スタジオセッションはエゴがぶつかり
ジョージとポールが激突しています


アルバム「アビー・ロード」は
そんな時期のグループが作っています







このアルバムは本当に見事で
高いクオリティーのサウンドを
鳴らしています



ジョージのサムシング、
ヒア・カムズ・ザ・サンは
文句なしの名曲です


リンゴもソングライトしています


ジョンもドラッグの影響があるなか
存在感を示しています


ポールはMVPです
作りかけの素材を巧みに繋ぎあわせ
素晴らしいメドレーを披露しています


アビー・ロードは名作です


メンバーが完全にバラバラになってしまい
空中分解することを覚悟したポールが
他のメンバーに気づかいながら
有終の美を飾るために作ったのでしょう


アルバム「レット・イット・ビー」は
その後、まとめられるわけですが
そこにはアビー・ロードのまとまりは
欠片もありません







アビー・ロードがなければ
ビートルズのストーリーは
かなり間抜けになります


アビー・ロードがあるから
起承転結の「結」になるのです


なんせ「ジ・エンド」で締め括られる
完璧なエンド・ロール


ゴールデン・スランバー(まどろみ)のような
ビートルズという軌跡の終止符を打つため

伝説に昇華させるためのアルバム







「アビー・ロード」を聴くとき
私はそんなふうに考えてしまうのです