セザンヌ 「りんごとオレンジ」




オレンジス・オン・アップルトゥリーズは

a-ha が2002年にリリースしたアルバム

「ライフラインズ」の収録曲


マグネ・フルホルメンが作詞し

マグネ&モートン・ハルケットが作曲しています




リンゴの木になったオレンジ

マルハナバチ(Bumblebees)と仲良しの昆虫たち

リンゴの木に実ったオレンジ


水(Water)はやってきて

水は去っていく

どこに行き着くのか

誰も分かりはしない

水は増して

水は落ちる

どこからやってくるのか

誰もちゃんと分かりはしないけど

すべての小さな穴から漏れていく


これまでも雨を僕らは見てきたけど

こんなじゃなかった

すべての岸辺(Shore)を洗い流していく

人々はやってきて

人々は去っていく

ドア越しに笑い声が聞こえるのに

誰もスコアをつけていない


リンゴの木になったオレンジ

マルハナバチと仲良しの昆虫たち

ひとつの大きなハッピーなファミリー

無限の可能性


リンゴの木になったオレンジ

そして、それ以上のもの


僕の目の前にある君の顔が分かる

誰にも分からないと君は信じている

心の奥深くでそれを感じるんだ

僕らの知っていることすべてを更新すれば

みんなにも分かはずさ


リンゴの木に実ったオレンジ

それ以上のもの


かつて僕は一人ぼっちだった

けれど君が来てくれたから

いまはそうじゃなくなった

君と僕には兆候が見えていた

だから脇目も振れずにやっているのさ


リンゴの木になったオレンジ

マルハナバチとつがいの鳥

無限の可能性


リンゴの木になったオレンジ

僕らに見ることのできるすべてのこと

マルチジェンダーのワナビーたち


リンゴの樹に実ったオレンジ

マルハナバチにもたらされる熱狂

ひとつの大きなハッピーなファミリー

無限の可能性




Oranges On Appletrees / a-ha

・Album

https://www.youtube.com/watch?v=Y-asEGVDIhk

・Live

https://www.youtube.com/watch?v=gj2nVkNk5ZY




a-ha は3人組のグループでメンバーは

モートン、マグネとポール・ワークター・サヴォイ





メインソングライターはポールで

初期の大半の作品を単独もしくは共作で

手掛けています


ビートルズで言うならポール・ワークターは

ひとりレノン・マッカートニー状態に近い活躍(?)



しかし

このアルバムが作られるころは

状況が変わっていました


グループは一度の分裂を経て再結成


そのあいだにマグネ&モートンは

それぞれソロ活動を行って

単独でソングライトできる力量を蓄えていました



リンゴの樹木に実ったオレンジたちというのは

おそらくマグネ&モートンのことでしょう



a-ha = ポール・ワークター・サヴォイの楽曲


一般的にそう思われていて

他の2人はそれを演奏するだけの仲間だと

思われていたかもしれない

(少なくとも初期はそれに近かった)


けど

もうそうじゃない


ポールの紡いだ歌詞による世界観とは

違った文脈にマグネ&モートンはいる


ファンが愛しているのは

リンゴの木(ポール)かもしれないけど

僕らはリンゴと違うオレンジなんだ







マルハナバチ(丸花蜂)こと

バンブルビーという歌詞が登場します


ロックバンド、カサビアンが

ファンのことをバンブルビーと喩えて作品にしています


蜂がぶんぶんと押し寄せてくる様子に

ファンや群衆のイメージが重なったのでしょう



Bumblebeee / Kasabian

https://www.youtube.com/watch?v=hjUA_e0ZG_U

http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2014/08/bumblebee-kasabian.html




マルハナバチこと

Bumblebee は

Bumble Bee に分けることができます

(これはあくまで私の解釈です)


Bumble

①ブンブン言う、②へまする、しくじる、③失敗しつつ進む


Bee

①蜂、②(仕事や協議の)寄り合い



おそらく作詞したマグネは

バンブルビーはダブルミーニングで

バンブルなビーとして使っており

それは「失敗しつつ進むグループ」

a-ha のことと思われます


冒頭の一説ではこう登場します

Bugs That Mate With Bunglebees





Bugは昆虫でありバグです

バグとはコンピュータープログラム等の欠陥です


「蜂と仲の良い昆虫たち」という裏に

「ヘマするグループにつきものの欠陥」という

ニュアンスも隠れている?





その後、終盤に登場する

マルハナバチたちとつがいの鳥たち…という歌詞は

ファンたちと一緒になった鳥…と解釈できます


「鳥(Birds)」は

かつてポール・ワークター・サヴォイが

サイドプロジェクトのサヴォイの作品で

ソングライトした楽曲のことを「鳥」と喩えたことに

由来しているのかもしれません


Lackluster Me / Savoy

https://www.youtube.com/watch?v=TkvUD0ZB27Y



つまり

ファンたちが親しんでいる楽曲はワークターソングだ…と



歌詞の中に

水がどうこうという部分があります







水=Water≒Waaktaar (Paul Savoy)

の可能性があります


水が来たり去ったり

増したり落ちたり(失敗したり)は

誰にも分からない


つまり

自分も知ったこっちゃない

自分の関与することでもないと

一線を引いています


このアルバム「ライフラインズ」から

マグネはポールとの共作をしなくなりました


かつてポールと協力し

(ポールの力に依存しながら)

ソングライトしてきたものの

このアルバム以降、袂を分かつのです


だから

ウォーター≒ワークター=ポールが

どうなろうと知らないと

切り捨てるのです


そして

僕(マグネ)には

君(モートン)がいるから一人じゃない…と

パートナーにモートンを選ぶ


マグネがパートナーを

ポールからモートンに切り替える宣言??


脱ポール宣言ソング???

2002年のこのマグネの手切れソングを受けて

ワークターことポールは

サイドプロジェクトのサヴォイで

次のような作品を作っています



Watertower / Savoy

https://www.youtube.com/watch?v=kLUhfqaKFcI

・和訳等

http://ameblo.jp/boomooo/entry-11945220686.html



かつて経験したことのない雨によって

岸辺(Shore)が洗い流される…と

あります

雨=困難、逆境と解釈され

Shore(岸辺)の発音はSure(確信)と似ています


「雨で岸辺が洗い流される」…の隠れメッセージとして

「逆境で確信が崩れていく」という意味がある??




マグネは最後の繰り返しの中で

マルチジェンダーのワナビーという

表現を使っています


ジェンダーには

性別による区別というものでなく

役割の違いというニュアンスもあるようです


作曲&指示するのはポール

だまって従うのは他の二人という

これまでの構図、役割ではなく


もっとマルチにやりたいんだ

ときに自分たちが主導権を握っても

いいじゃないか…という

マグネ&モートンの主張だったのかもしれません


レノン・マッカートニーとは別の

ハリスンやリンゴの存在アピールみたいな感じ?








オレンジス・オン・アップルツリーズには

言語遊びがたくさん盛り込まれつつ

オープンには伝えにくい真意を

包み込んでいるように私には思えるのです





あくまで憶測ですけどね…