こいつをみようと
カミサンと新幹線に乗り






こんな消火栓のある街、
静岡へやって来ました


目指すは
静岡県立美術館

静鉄に乗って
最寄駅「県立美術館前駅」へ

そこから
緩やかな坂をのぼること十数分
緑にかこまれた県立美術館がある


えーと…
駅名に間違いがあるね
「県立美術館前駅」ではなく
「県立美術館駅」が正しいんじゃないかな?
あるいは

「県立美術館坂下駅」とか



今回、
わざわざやってきたのは
伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の
タイル絵を見たかったから


若冲が18世紀に手掛けた
このタイル絵のような作品

海外のコレクターが所有しており
いまだ眼福によくしていない
(実物をみたことがない)










以来、気になっていたのだけど
同じような作品が
静岡の美術館が所有していることを知った


これがそれ










というわけで
伊藤若冲の樹花鳥獣図屏風が公開された
企画展「アニマル・ワールド」へ


結論から言うと
やはり
実物は素晴らしい

のんびりと
絵をみるのは
幸福な気分になる

テレビでみた作品と
若干の違いはあるけど
それぞれによさがある
(個人的に静岡のが習作のように感じました)

カミサンは
象の描かれている屏風に
31の動物があるとの説明文をみて
一生懸命探していた(笑)

この企画展では
江戸時代を中心に
動物が描かれた作品が
一堂に展示されています

若冲だと

こちらの他にも
冒頭のガマガエルとフグが相撲をとる作品などが
置かれており
他にも円山応挙、狩野派などなど

どれもこれも見応えがありました

くだんの屏風絵についていうと
まるで曼荼羅のようなカラフルな世界に
実在、想像の動物や鳥が描かれているのですが
どれも優しい目をしていました

動物絵画ですが
見ているうちに

いろんな人、いろんな背景があるけど
それでいいじゃないか…
どれが偉いわけでも、どれが主役でもない
それぞれが平和に穏やかであれば…

そんな想いになりました

まるでガンダーラのような覚りの境地(?)


途中、ソファで休憩しながら
カミサンと
どれが気になったかなどと
意見交換していて

作品説明のコメントが面白いよね…と

だいたいの場合、
作品の迫力とか
色彩の見事さが話題の中心になるのですが
今回はユニークなコメントが気になる

ふつう
作品名や作者、時期、素材があり
たんたんとした(面白味に欠ける)
100文字前後の作品説明があるのですが

この展示会のやつは
まず一行のキャッチがあり
そのあとに作品説明がくる

このキャッチが絶妙で
説明文にも含蓄や味があり
読んでいて飽きることがない

かなり新鮮で
学術的に正しくても眠くなるような内容より
このほうが断然よいと感じました

最後の方に
徳川慶喜が鯉の滝登りを描いた
「登竜門図」が飾られていた

これのキャッチは
「意外に上手い?最後の将軍」である

徳川慶喜が
江戸幕府最後の将軍であり
その画業が意外に達者である驚きを
実に端的にまとめている

こんなキャッチが
徳川家康ゆかりの静岡で許されるのか?

世が世で

新撰組にでも見つかろうものなら
市中引き回しのうえ
首でもはねられかねない不敬な寸評である

しかし
だからこそ面白くもある

スタッフに聞いたところ
静岡県立美術館に優秀な学芸員がおり
そちらが作成したものという

このイベントにあわせて
行われたイベントに参加した学芸員の
福士雄也さんがそうなのかもしれない

なかなかの感性、文才、学識だと感心するし
仮に別の方が考えたのであれ
あれを容認する静岡県立美術館の度量はただごとではない

本当に
あの作品説明を読むだけでも
観覧する価値はあるように思うし
ああいう瑞々しい感性は
今後の学術の普及に

きっと寄与するのではないか?

ああした文章について
コメントするひとは少ないでしょうから
ぜひとも触れさせていただきたいと

こちらで取り上げてみました


そのあと
カミサンとのんびりと
坂を下りながら駅に向かいました

冒頭のポスターの
伊藤若冲のガマガエルとフグの相撲の図

どうみても
現代的な感覚では
相撲というよりは
河豚の介護をする蛙という様子だし

そもそも論で
ふぐは手足がないから
相撲にはならないだろう…と

いずれにしても
なかなか愛嬌のある一枚だった


途中、

駅と美術館の中間くらいにある鯛焼き屋で休憩した

薩摩芋の餡の黄金鯛焼きがなかなか美味かった