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36回の化学療法施行後

入院3日目 

 

朝になると不思議と

おしっこは出る。

なぜ夜になると調子が

悪いのか?


今日は午後の14時から

医師との面談だ。

家内と息子が来るようだ。

娘も休みを取ったが、

自分を入れて3人までらしい。

泣く泣く外で待機となった。


午前中は点滴が1本あるだけで

他は何もない。

皆が病院へ来るまで退屈だった。

今までの入院の時は、

本を読んだり、テレビを見たり

暇な時間は娯楽の時間だった。

今はそんな気持ちには慣れない。


14時前になり家族が来た。

主治医は診察で忙しく、

少し遅れますとの事で、

主治医が来るまで

皆に病状の事とか話しておく。


遅れてすみませんと

PCを持った主治医が来た。

いつもの外来の先生。


まずCT画像を開く。

膀胱の腫瘍が

ものすごく大きくなって、

そこから出血しています。

膀胱の真ん中には

巨大な血腫が出来ています。

あまり膀胱に転移はしないが

腹膜に転移した癌細胞からの

転移、いわゆる腹膜播種

と言われる状態でした。

腹膜播種は見つけるのが

難しく、腹水が溜まったり

転移してからわかることが

多いです。

ご主人の場合、抗がん剤も

イリノテカンとロンサーフに

効果が見られず

一気に進んでしまったと

思われます。

既にお聞きになっていると

思いますが、

次の抗がん剤になる

スチバーガも使えない状態です。


今回の膀胱からの出血で、 

止血剤を点滴し、

膀胱洗浄を行って

出血を止める治療を

行ってきましたが、

効果は出ず、

腎機能も悪化してきたので、

左の腎臓に管を入れて

尿を外に出し、

腎機能を改善させる

腎ろうという方法を

取りました。

これで腎機能が改善されてくれば

利尿剤を使って 

浮腫を改善したり、

造影剤を使って詳しいCTを

取れるようになります。


膀胱はしばらくは

尿が出ますが、

いずれ血腫で血栓化され

出なくなります。


腎ろうは1ヶ月に1回、

カテーテルの交換に

来院してもらう必要が

あるのと、

自宅で管理してもらう必要が

あります。


他には肝臓の胆管という

細い管が押されているように

見えますが、

詳しく調べないと

はっきりしません。


何か質問はありますか?

と聞かれたので、


あと余命はどのくらいですか?


と聞いてみる。


半年は持たないでしょう


と言われる。


やっぱりね、と思う反面

あと数ヵ月で終わりなんだ 

という淋しさが。


わかっていたはずだけど…


家内がすすり泣く声が聞こえた。


家族と約束した事だけでも

叶えたい。


寿司を食べる

鰻を食べる

広島に旅行する

田舎に帰省する

他愛もない事だけど


どこまで回復するかにもよるが、

今の状態では何かを

食べに行くだけでも困難だ。

旅行は無理っぽい。


冬は無理っぽいな。


面談は終わり、

主治医は戻っていった。

もう少しここに居ていいですよと

言われたので、

皆で少し話をする。


息子は理解しているのか、

無言だった。

家内は、余命なんて

この先変わるんでしょう?

頑張って長く生きよう!

と言った。

確かにそういう人もいる。

ただ短くなっている人もいる。

あまり現実を受け止めたく

無いんだろう。

でもこれからは

今まで以上に家内に

お世話して貰わないと

いけないだろう。

まあ取りあえず頑張って

治療を続けるよと言って

今日は解散。


病室に戻ると

窓から車が見えた。

思いっきり手を振ると

気がついたようで

手を振り替えしてくれた。


部屋に戻ると

どっと疲れが出た。

ここ数日で一気に人生が

変わってしまった。


生きているのも

時間の問題かもしれない。




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