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お正月まであとわずか。


今日は60歳の誕生日。


還暦だ。


がんになる前は結構若く

見られていた。

でもがんになって

抗がん剤の副作用で

髪も白髪でバーコードになり

一気に年を取ったようで

今は70歳くらいに

見えるだろうか?


今の60歳の人は、

自分が昔思っていた

お年寄りのようなイメージ

ではないと思う。

還暦を過ぎても

みんな元気だ。

バリバリ仕事している人は

沢山いる。


60歳だと年金をもらうまで

まだ5年もあるので

普通に働かないと

生活できない。


がんになっても国や自治体から

お見舞い金とか手当てが

出るわけではない。


特に自分の年代は

5,000円の給付金の対象でも

無かった。

結局白紙になったが。


傷病手当は1年半で終了。

とても助かったが

1年半で完治するはずもない。

頑張って働くか

65歳で年金をもらうまで

貯金を切り崩して

無くなったら

生活保護か。


収入が無いのに月の医療費

とか支払いは高額だ。

一般の人にはわからない。



がんになっていなければ

家族の中では一番元気で

病院にもかからず、毎日

バリバリ仕事していたはずだ。


仕事が好きなわけでは

無いけれど

仕事をする事でしか自分を

アピール出来ない。

まだ若い人には負けない

そう思っていた。


がんになったとき

仕事は辞めるしかなかった。

すぐに辞めてはいけないとか

本に書いてあるが

長期休職、その後も不定期、

先行きがわからない…


辞めるしかない仕事もある。


がんになって仕事を辞めたとき

突然何もかも失ってしまった

ように感じた。

未来の事が何も考えられない

明日の事を考える必要がない

その日を生きているだけ。

目標を失ってしまった。


今まで培ってきた

技術とか知識が

この先必要とされない

無駄なものになってしまった。


もう社会に復帰すること

仕事に復帰することがないと

思ったら、すべて

頭から消えてしまった。


体が覚えてる、なんて言っても

覚えているのは

やっぱり頭だろう。


覚えるのは時間がかかるが

忘れるのは早い。

ましてや年寄りだ。

社会復帰にも時間は掛かる。


今まで仕事に頑張って

きたのだからこれからは

治療しながらゆっくり休んで

趣味でも見つけて

のんびり養生しよう

なんて考えられなかった。

まだその年ではない。


人それぞれだから

考えを押し付ける気持ちも

ないし

そうじゃないよとか

言われたくもない。


治療も、化学療法を否定する

事もないし、民間療法を

否定する気持ちもない。


緩和ケアを否定するつもりも

ないし、自分としては

在宅で看取られるよりは

病院とか施設で亡くなりたい。


看護師さんは時々緩和ケアの

話をするが、医師からは

聞いたことがなかった。

今は緩和ケアをしながら

治療する時代だ。とか

ネットニュースにも

よく出ている。

でも勧められたことはない。


だから緩和ケアは

自分の中では

もう仕事も日常生活も

ままならなくなった時だ。

最後はDNRで。


がんの完治は見込めないけど

社会復帰は出来る。

趣味は無いけど今さら

いらない。

無理に何かを始めても

自分の性格上

楽しめないだろう。

本当にやりたいこと

興味を持てることが

見つかったらやればいいと

思うが、恐らく

見つからないだろう。


今はとにかく仕事に

復帰することを目標にして

治療に頑張ろう。



話が大きくそれてしまった。


還暦のお祝いを親とか兄姉に

贈ったことが無かった。

奥さんにも。

60歳はまだ若いから

還暦のお祝いなんてすると

老け込んじゃうからやらない。

なんて思っていたが

今になって思う。


やっぱり赤いものとか

贈っておけば良かったな。


自分が欲しいわけじゃなくて

贈り物って思い出とか

連絡を取るきっかけになる。

何もしなければ

何も起きないんだよね。


お中元とかお歳暮とか

年賀状とか、

面倒だけど

連絡をする、

話をするきっかけになる。

今ならLINEかな?

還暦はいわば60年生きた

という大きな節目だと思う。


古い人間の、古い考え方

なのかな?


次に還暦になる人がいたら

巣鴨に行って

何か赤いものを買って

贈ろうと思う。



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