ところで、株価は週明け年初来最大の下げとなりました。前回、筆者は次のふたつのコースを提示しました。すなわち、4月中旬でのもみ合いが継続し、先行き円安の好転を待って株価は回復するコース。いまひとつは、もみ合いを下に切って、二段下げ構成となるコースです。しかし、その後の経過をみると、後者のコースになってきました。そうなると、参考になるのは09年8月から11月にかけての調整です。今回と当時ときわめて酷似しています。もっとも二段下げですから、下げ途中で中間反騰があります。これを今回にあてはめると、近々、中間反騰があるはずです。半月ほどです。その上限は4月にもみ合った9,600~9,700円どころではないでしょうか。当時も前にもみ合った水準にまで戻っています。

いずれにしても、反転上昇の兆しを今後、どうやって見抜くかが投資家の腕の振るいどころです。材料からは、米国FRBが6月の“ツイストオペ”の期限切れを控え、いつ、どのような金融緩和策をとるかが勝負です。米大統領選を今秋に控え、FRBは間違いなく緩和のタイミングを図っているはずです。そうなれば、世界市場の年後半高は必至といえるでしょう。
さて、今回の銘柄は、あくまでもこういう状況ですから理屈を言っても仕方ありません。罫線のみから妙味株として大同特殊鋼(5471)をあげてみました。“安値圏での日足連続陽線は買い”といわれます。
まずは各々の月足を良く見てください。
月足が陰線の内は戦いを挑んでも簡単に捲くられて、
お灸をすえられてしまうのです。