孫ちゃん崖っぷちに追い込まれる。←余計な事ばかりするからだよ(ё∇ё) キャハ | ブー子のブログ

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損したらどうしよう、と思ったら、やめればいい。
それはやりたくないことだから。

損してもいい、と思ったら、やればいい。
それはやりたいことだから。

ソフトバンクのユーロ円債永久優先出資証券 が個人向けに発行される。

しかも2000億円。

これは本当に「買ってはいけない商品」の一つですよ。


こんな複雑な商品のリスクを引き受け証券会社のみずほ証券の店頭の営業マンは本当にきちんと説明できるのでしょうか。

証券会社として理性を失ってしまったとしか思えません。


まず、優先出資証券と書いてありますが、騙されてはいけません。

実態は殆ど株です。

しかも期限なし、永久証券なのです。永遠にソフトバンクが無くならないという前提です。

株もそうですよね、潰れるまで永久保有です。

通常銀行は自己資本比率の調整上この種の債券を発行しますが、一般企業が発行するのは極めて稀です。

なぜなら、まず、銀行は信用そのものがビジネスです。

従って永久債券といえども野放図にしておけば自らの信用にかかわってしまうので返済に対する責任
感及び義務感が極めて強いと考えられます。

さもなくば取り付け騒ぎになってしまうでしょう。

しかしソフトバンクは一企業であり、別に途中で返済しなくても痛くもかゆくも無いという状況にあります。

ここが銀行と決定的に違う。

そして3年8カ月でコールが付いていると言っていますが、

その時に償還する保証はもちろんゼロです。

通常ですとこのストラクチャーの場合発行体への償還圧力を高めるためにステップアップを高くして翌年から5%ステップアッなどとしてなるべく返済させるように設計しますがこの商品はわずか1%ですから圧力はほとんどゼロです。


当然赤字になれば金利は払わなくてもいいし(株ですから)、

まかり間違って倒産したら紙切れです。

債券の場合それなりのリターンが残りますが、

これは限りなく株式ですのでゼロです。

しかも株式よりもっと酷い可能性があるのはこれは形は債券なので市場性がゼロだ、と言う点。

元来債券マーケットメークといって証券会社は売りたい時には買い取ることになっていますが、

この種の債券の流動性はゼロ。

間違いなく売れません。

もし必ず買い取ります、などという証券マンがいたら一筆書かせてください。

間違いなく書きませんから(笑)。

つまり危ないと思ったら株なら叩き売れるのですが、これは叩き売れません。

この流動性の喪失と言う問題は極めて大きいのです。

それからプットといものが3年8カ月後についているのでいやだったらその時に償還請求すればいい、という「売り文句」もあるでしょう。

しかし3年8ヶ月間は売れない、と言う点には変わりはありません。

その間にソフトバンクが倒産したらパーです。

しかも逆に言えばその後も1年に一回しか、償還請求する、つまり売却するチャンスがないという、限りなく流動性の低い株式を持たされている、という認識が必要になります。

更に3年8カ月後にすべての投資家が償還を要求したらどうなるでしょうか。

つまり2000億円分その時にソフトバンクが借り換えできなかったらどうなるかというと・・・・

倒産します。

しかも倒産したら、この証券の購入者は「全てのその他債権保有者に劣後する」。 

つまり一番最後まであと回しになってしまう。

本当に会社が危ない時には自分たちが償還という引き金を引いて自分たちの財産を吹っ飛ばす事になるのですよ・・・

そんなこと、できますか? 

会社が倒産したらみなさんの証券、ゼロになってしまいすよ、

と言われたらそれでも引き金を引けますか?? 

無理ですよね。ゼロになるよりまし、となっていやでも借り換えに応じざるを得なくなるでしょう。

それを永久に、お付き合いしてもらえる金利がたった2.04%!!

アメリカの社債を想定してみるとソフトバンクなら最低+800BPくらいでしょうか、

つまり8%位の金利をもらってもおかしくない商品です。

実際に銀行の永久劣後債はそういったリスクポイントを考慮しかなりの高金利を付しています。

更に繰り返しますがコールで償還しなかった場合、

毎年利率がステップアップしていき、最高12%まで上がって行く、となってます。

逆に言えば12%でストップですし、

通常この種の商品を作る時には事業会社の永久債券

(しかも浮き沈みの激しいIT企業・・・規制緩和で海外の電話会社が入ってきたらどうなるでしょうね)となれば投資家保護の観点からなるべく発行会社に償還圧力がかかるように作ります。

つまり3年8カ月後の償還日に償還しない場合、

一気に金利をステップアップさせ、例えば5%ステップアップなどにする訳です。

支払い金利が一気に7%になるとなればこれは永久証券といえども、

その時点でコールがかかる可能性は高いとみるべきでしょう。

実際邦銀の永久劣後債(優先出資証券はとりわけ)殆どがそういった一気に金利が上がる「サドン・ステップアップ」という仕組みを有しています。

しかし、これはたった1%しかステップアップしませんから、

ソフトバンクから見れば償還しなければならない理由はあまりない。

それより高い金利でしか調達できない、つまり信用状況が悪くなればなるほど償還できないという恐ろ
しい仕組みなのです。

これを個人の皆様が買ったらどうなるか、想像をするだけでも恐ろしい。

ですからソフトバンクのリスクを取ってもいいとするなら、

まだ株を買うべきでしょうね。

証券会社は相当手数料をもらっていますのでかなりプッシュすると思いますが、

これは本当に「買ってはいけない商品」の一つです。

流動性の全くない株式を買わされるのだ、と思って頂いて結構です。

毎年定期的にお小遣いが入りますよ、

なんて言われて表面利率2%なんてしょぼい金利に騙されてはだめ。

これが8%位ならまあ、検討してもいいかもしれません。

それこそが正しいリスク・リターンの関係であり、

証券投資で一番重要な所なのですが、こういう投資家をばかにしたような商品が日本にはあるのです。

特にご老人のかた、是非ご注意を!


で、結局は孫ちゃんはアメリカ様の逆鱗に触れてしまい、

形振り構わない暴挙に出て、

集めた金が回り回って、

最後のご奉仕として祖国、韓国のために使われるのかもしれませんね。