今週の一番のニュースはこれになります。
どこの報道も歯切れが悪い、というか言い切るのが怖いようではっきりいって
いませんが、この発表されたステートメントを上から斜めからしっかり読めば
ギリシアはデフォルトとする、以外には理解ができません。
いつも行動の早い格付け機関であるフィッチは一応制限付きながらデフォルト
(Restricted default)を早速宣言、正しい判断でしょう。
すべてはこのステートメントの中身の解釈にかかっていまして、まあ、ご興味
のある方は読んでみてもいいですけど、よくもこれだけいい加減にまとめたな、
という印象です。
STATEMENT BY THE HEADS OF STATE OR GOVERNMENT OF THE EURO AREA AND EU
INSTITUTIONS
http://www.consilium.europa.eu/uedocs/cms_data/docs/pressdata/en/ec/123978.pdf
私はこれを一年前に時計を戻した、と表現した訳ですが、ここ2週間書いてい
るようにギリシアは必要な利息も払えないほど困窮し、借金を返す原資すらな
い、ということで白旗を上げた訳です。
しかしそのギリシアの債務削減、つまりは返済の肩代わりを嫌がったドイツ、
フランスがその場の融資で誤魔化し、抜本的なモラトリアム、つまり借金の踏
み倒し、若しくは債権放棄を嫌ったのが一年前。この時点で債権放棄をしてし
まえば大事に至らなかったのに、というのが私の主張な訳ですが、結局そのま
まずるずると時間を消耗しているうちに他国に延焼し始めた。
そこで今回、ついに債権放棄を民間に求めた。しかも運転資金はユーロ全体と
民間で出すというもので、債権放棄(元本の削減と同義)を求めたからには、
それを履行した時点で「デフォルト=倒産」というのが世界共通のルールです。
ですからギリシアの倒産を容認したと言う点では画期的とも言えるし1年前に
やっておけよ、とも言える。
しかし市場の疑惑・・・間違いなくこちらが正しいのですが・・・としては2
-30%程度の今回求められている程度の民間による債権放棄ではギリシアの
財政再建は済まないと言う点が一つ。
そしてもう一つはサルコジが宣言した一言、
「このこと(債権放棄)はギリシアに限ったことで他の欧州諸国(アイルラン
ド、ポルトガル、スペイン)には当てはまらない」
はあり得ないだろうという点が二つ目。
いずれも今後ともユーロは混乱が続く要因を残した事になります。
きちんとした債権放棄策(完全な)をユーロ全体のコンセンサスとして策定し、
今後他国に起きた場合のルールづくりができない限りユーロに対する疑惑は
続くのです。
テクニカルには最初に債権放棄した銀行が現れた時点で(多分早いうちに出て
くるでしょう)ギリシアはデフォルトを宣言されることになります。
しかし現実にはすでにデフォルト状態ですからECBの担保に入っているギリ
シア国債をどうするのか(ECBにも自己資本比率の縛りがあり、その算定か
ら除外するのか等々)、実際にユーロ建てなのにデフォルトした後にどこで取
引するのか(デフォルトした債券を各国の中央銀行のバランスシートに載せる
事が許されるのか)、などなど考えればきりがない程の技術的問題があり、実
際に何が起きるのか、だれも予測できないということになります。
しかしギリシアは最初のデフォルト債券の試金石ですからこれがうまくいかな
いと残りの「PIIGS」債券の取り扱いは益々不透明なことになります。
それから万が一ですが、民間金融機関が債権放棄に応じないという可能性も残
されています。1590億ユーロの救済融資資金の内、EU,ESCS,IMFで
負担されるのは700億ユーロ、残りは民間となっているのです。民間が応じな
かった場合、というリスクは引き続き残されています。
いずれにせよ、このステートメント通りの内容になるならギリシアはデフォル
トということです。