「慌てない、騒がない、諦めない」
今こそ、マーケット重視の姿勢を
◎雇用統計はQE3の催促か
週末の雇用統計で騒ぎ、ウィッチングまでの戦いを継続するというのが喧しい市場関係者たちの解釈。
その雇用統計。
GSは15万人増加→10万人増加に下方修正。
クレディは18.5万人→12万人増。
ロイターは18万人→15万人増。
発射台が低く設定されたということはポジティブサプライズ狙いと読めなくもない。
一方で債券市場では米10年国債利回りは2.94%と昨年12月以来の3%割れ。
「ボントレ(債券トレーダー)の陰謀」も少し加担したのかも知れない。
逆に「ボンドキング」は「QE2後は米国債の買い手がいなくなる」と警告しているが焼け石に水。「所詮QE3の催促」との声も聞かれる。
やはり「慌てない、騒がない、諦めない」の対応が必要だと思われるが・・・。
◎税収増、マネタリーベース増加は明るいニュース
あまり指摘はされないが明るい報道が二つ。
一つ昨年度の税収が2年ぶりに40兆円を超えるという見通し。背景は「3月に東日本大震災が発生する前の企業業績の改善」。景気刺激をしたり規制の緩和などで企業業績拡大を後押しすれば、財政問題は実は解決の方向に一歩進む。
この観点がないから、あれこれ右往左往しているのが現実に見えてくる。その意味では、マーケット重視の姿勢も欲しいところ。きっと「気がつかない」のだろうが・・・。
日銀が発表したマネタリーベース(日銀券、貨幣流通高、日銀当座預金の合計値、平均残高)も、前年比16.2%増の114兆4208億円と2年9月連続で増加した。
これは過去最高だった今年4月に次いで2番目の高水準。量的緩和政策導入時の2002年以来の高い伸びが3カ月連続。100兆円の大台を6カ月連続で上回っている。あまり指摘はされないが、これは株価の下支え。というか大きな材料。
マネーの流動性が確保されている以上、株は暴落はしない筈。しかもいずれは安全投資からリスクを動きが出てくる筈。日銀もリーマンショック前の金融引き締めの学習効果があるに違いない。
◎カナモトは展望ある下方修正?
個別では建機レンタルのカナモト(9678)が下方修正。「東日本大震災の被災地区に展開していた拠点のうち主に2拠点が罹災。また、同地区に投下していた当社レンタル用建設機械の一部も罹災。資産減失額、原状回復費用、復旧支援費用等として、第2四半期決算で7.24億特別損失に計上」した。
表面上は悪材料。市場も「東北太平洋沖地震で復興需要期待で株価が上昇していたが、業績下方修正を発表」とネガ視している。
しかし・・・。よく発表内容を見てみると、売上高は前回予想の350億円から353億円と増加。そして「被害額は現段階で把握できる、大方の被災機を網羅した額であります。また、被災機については今後さらに修理使用の可能性を探ります。同時に、売却処分可能なものは早期に実施するなど、被害額の補填・回収などに努めてまいります」と。さらに「震災以降、東北、関東の被災地での建機レンタル需要は極めて旺盛であること。
レンタル料も需給バランス改善から好転していることもあり下期は相応の収益効果を得られるものと想定」。解釈すれば「一過性の特損」。しかも「足元は旺盛な需要」と読める。
加えて・・・。「しかしながら、一方で全体的な需要規模、需要時期など未だ流動的な側面もあることも事実。通期業績予想につきましては、昨年12月に公表いたしました予想数値を据え置いております」。
そして「中間配当、当初計画のとおり、1株10円の配当を実施する旨、取締役会に付議する予定」。行間に滲み出ているのは「被災額は現段階で把握できる=落とせるものは落としました」。
あるいは「建機レンタル需要はきわめて旺盛=足元は相当好調」。そして「下期は相応の収益効果=相応ではなく相当と読み替え可能」。過去に拘らず未来を見れば、珍しく展望のある「下方修正」に思える。菅さんが引っ込み、復旧・復興にスピード感が加わり、二次補正が早まれば風景はさらに違ったものになりそう。第2四半期決算は6月8日発表予定。
動き始めた印象があるのは農薬大手のクミアイ化学(4996)。PBR0.4倍台はいかにも割安感。あるいはアルミ電解コンデンサが主力のニチコン(6996)。PBRは1倍水準。家電量販のビックカメラ(3048)も猛暑・節電を斬り口にすれば俎上に上ってこようか。
