[北浜 流一郎先生の株式コラム 12月16日号]
大塚ホールディング株の上場で分かったこと。東京市場には資金余力ありだ。
東京市場、様変わりの動きです。日経平均株価は10300円台をキープしていますし、米国市場は戻り高値を更新中、円も上がらなくなっています。
しかも新規上場があると、大量の買いが入る。東京市場がようやくまともになりつつあるといえます。この点は好ましいのですが、同時に気になることがあります。
大型の新規上場。つまり大塚ホールディングス株の上場です。私は上場前にあちこちでこの株を買うべきかどうか相談を受けました。いまは市場環境が悪化し、多くの投資家は大塚ホールディングス株の上場に関心はないのではないか。こう思っていたのですが、勘違いでした。
結構多くの方が興味を持っておられ、私が否定的なことを言うと、ガッカリした表情になられる方がほとんどでした。大塚は素晴らしい会社なのに納得出来ない、と言いたかったのでしょう。
でも大人気企業の大型上場は、これまでうまく行った試しがありません。だから私は単純に反対だったのですが、結局株価は公募価格の2100円を割れるありさま。なんとも残念な展開です。
公開価格割れなどということは、社名がよく分からないような新興銘柄ならいざ知らず、超有名企業、しかも新規上場では、あってはならないことです。ところがそれが起きてしまっています。株の発行体である大塚ホールディングスと幹事証券が巨額な利益を多くの投資家たちから吸い上げた。こういうことになります。
しかし、このようなことが起きたことで分かったのは、資金余裕のある投資家が結構いるという事実です。彼らは魅力的と見える株があれば買って来る。こう考えてよく、今後東京市場がさらに上がってくると貯蔵された資金が出てくると見てよいでしょう。
いまはそれを楽しみにじっくり下準備をする段階といえます。
すでに9月や10月の軟調局面で準備を終えていた人は、いまたっぷり利が乗っているはずです。しかしまだ日経平均は大して上がっていないのです。それを考えると、多くの銘柄は底離れを開始したところ。こう言える状況であり、年明けに多いに期待が持てます。
その多くはまだ低位にあるだけに魅力的といえます。
一方ですでに上昇を開始している銘柄も多く、前回当レポートで取り上げた中からもそんな銘柄が出現しました。
ディーエヌエー(DENA、2432 東1 100株)です。携帯向けゲームサイト「モバゲータウン」を運営していますが、12日、独禁法違反で公正取引委員会の検査を受けたことが明らかになり、株価が急落したため、そこを狙いました。
株価はその後、期待通りに浮上を開始、この原稿を書いている16日はふっ飛びました。いまはこんな銘柄も出現しているのです。しかも問題を起こした会社の株です。それでも買われ値を飛ばしたのですから、それはやはり市場環境の好転。こう受け止めてよいはずです。
で、ここは引き続き積極策を取り、まず注目はNOK(7240 東1 100株)です。自動車部品と電子部品の2つを手がけるメーカーであり、両方の視点から注目できる株です。
自動車部品ではオイルシールに強いのです。そして電子部品ではフレキシブル基板です。特にフレキシブル基板では業界首位。いまはその実力が遺憾なく発揮され、スマートフォン向けなどにフル生産状態にあります。
株はこのところ調整気味ですが、1600円に近づくほど魅力的といえます。
椿本チエイン(6371 東1 1000株)も魅力的です。産業用チェーンで世界首位ながら市場人気が低く、値動きは重いのですが、9月に入ってトレンドはすでに上向きに転じています。
産業用チェーンはもちろん、自動車用チェーン、ともに現在はフル生産状態にあります。当然収益も好調で、株価はまだ評価不足といえる状況です。
最後はDOWAホールディングス(5714 東1 1000株)株です。中国がインフレ懸念から金融引き締め策をとりつつあるため、非鉄金属類の需要は伸びないだろう。こう見られているのですが、実際は逆です。需要は引き続き堅調で、特に銅価格は上昇を続けています。
DOWAホールディングスは銅をはじめ、各種非鉄金属の精錬に強い会社。目下それら金属価格の上昇で精錬事業がフル稼働状態にある上に、リチウムイオン電池の回収ビジネスなど新分野の成長も順調です。
株価は横ばい状態でのシフト有利です。