[杉村 富生先生の株式コラム 11月29日号]
銘柄発掘のスクリーニングは“原石”探し!
順調な戻り相場を展開してきた株式市場ですが、ここにきて波乱含みの展開になっています。急騰の反動に加え、欧州金融危機の再燃、朝鮮半島情勢の緊迫化、新興国の金融引き締めなど、気掛かり材料が台頭しているためです。
とりあえず、下値で買った玉の利食いを先行させよう、と考える投資家が増えるのはやむを得ません。ただ、救いなのは1ドル=84円台の円安です。これが株価を下支えするでしょう。9月下旬以降、「いつまでもあると思うな、親と円高」と主張、「円安に対応したポートフォリオの構築を」と訴えてきましたが、ほぼ想定(シナリオ)通りの動きになっています。
それに、短期的には“値固め”の局面でしょうが、2011年前半に日経平均株価が今年4月5日の高値1万1339円を奪回し、リーマン・ショック直前の水準(2008年9月12日の1万2214円)に挑戦する、という筆者の基本シナリオは変わりません。
ファンダメンタルズ・アプローチではやはり、企業収益がポイントです。すでに、焦点は2012年3月期に移っています。「経済の状況と企業の収益力は別もの」との認識が広がっていますが、実際にグローバル企業、サプライヤー・テクノロジー企業の業績は好調です。激増するアジア需要を取り込んでいます。
2012年3月期には史上最高決算を更新する企業が続出するでしょう。具体的には日本ペイント(4612 東1 1000株)、クラレ(3405 東1 100株)、ユニ・チャーム(8113 東1 100株)、リンナイ(5947 東1 100株)、日本電産(6594 大証 100株)、シスメックス(6869 東1 100株)、ファナック(6954 東1 100株)、旭ダイヤモンド(6140 東1 100株)などがそうです。
さらに、ナブテスコ(6268 東1 100株)、ダイハツ(7262 東1 1000株)、KYB(7242 東1 1000株)、エクセディ(7278 東1 100株)、ケーヒン(7251 東1 100株)、リンクテック(7966 東1 100株)、伊藤忠商事(8001 東1 1000株)、ソフトバンク(9984 東1 100株)、ユー・エス・エス(4732 東1 100株)なども史上最高決算の更新が確実視されています。
このほか、2012年3月期を大手証券が大幅増額修正した銘柄はいすゞ自動車(7202 東1 1000株)、帝人(3401 東1 1000株)、三菱マテリアル(5711 東1 1000株)、コマツ(6301 東1 100株)、タカタ(7312 東1 100株)、日産自動車(7201 東1 100株)、神戸製鋼所(5406 東1 1000株)などです。
一方、大手証券では野村、メリルリンチなどが「低PBR銘柄に妙味あり」と題するレポートを相次いで公表しています。現在、東証1部上場銘柄の7割がPBR1倍割れ、東証2部上場銘柄は全銘柄ベースのPBRが0.63倍という状況であり、銘柄をピックアップするのは大変です。こうした状況下、大手証券が取り上げている銘柄は参考になります。
たとえば、「低PBR株の季節到来」→双実(2768 東1 100株)、阪和興業(8078 東1 1000株)、三菱UFJFG(8306 東1 100株)、イノテック(9880 東2 100株)、「200日移動平均線を超えた低PBR大型株」→豊田通商(8015 東1 100株)、住友商事(8053 東1 100株)、オートバックスセブン(9832 大証 100株)、オリックス(8591 東1 100株)、「予想ROEが資本コストより高いにもかかわらず、PBRが1倍割れの企業」→三洋化成工業(4471 東1 1000株)、富士電機(6504 東1 1000株)など。
いや~、銘柄が多すぎてマトが絞れない、という声が当然ですが、出るでしょう。これは“原石”です。このリストをもとに、銘柄を選ぶのです。大手証券がファンダメンタルズ面は徹底的にチェックしています。あとはテクニカル・アプローチです。
筆者はジャッジメンタル・アプローチを加味し、いすゞ自動車、ナブテスコ、住友商事に注目しています。双日は急騰したため、ここは150円がらみの水準までの押し目を待ちたいと思います。