[澤部 潔先生の増田足コラム 10月15日号]
バーナンキ発言でどちらに転ぶか
一足先に期日通過のソニーに妙味
米国の追加金融緩和期待を背景に世界同時株高の様相が強まるなか、東京市場は今ひとつ、その流れに乗りきれず推移しています。
背景の一つが円高加速です。10月5日にかけて開催された政策決定会合で日銀は4年3ヶ月ぶりのゼロ金利復活など、かなり大胆な緩和措置を発動しました。これはこれで十分、評価できることなのですが、逆に日銀のそうした動きが米国の追加緩和観測に繋がり、円高抑制のための緩和が逆に円高を招くという、不幸な事態に陥ってしまいました。円は、今週に入ってもジリジリと円高傾向を示し、14日には、ついに81円割れという危機的な水準を示現。一方で金融緩和に伴う流動化期待や、円最高値接近に伴う介入期待がありますから、株価は大きな調整こそ免れていますが、世界の株価が史上最高値を塗り替えたり、今年の高値を更新するなか、日経平均は25日移動を中心に、先物主導で一進一退の動きに終始しています。
日経平均は、増田足で見ても、今ひとつ、トレンドがハッキリ見えてきません。6色パターンは上昇の「B」パターンですが、各足は小さいレンジに収れんし、目先の動きひとつで、上下、どちらに転んでもおかしくない状況にあります。ただ、週足のパターンは良好。13週足は今週で3週連続ピンク。僅かではありますが、下値も切り上がっています。個人的には、日経平均は6対4の割合で上と見ていますが、その流れを決めるのは、引き続き円の推移と先物の動きだと思います。
目先的には、15日、米国で行われるバーナンキFRB議長の講演内容が最重要ポイントとなります。最近の米経済指標は良いもの、悪いもの入り乱れていますが、金利はやや上昇気味。11月のFOMCでの大幅緩和を織り込みかかっているNY市場は、同議長の発言一つで、大きく振れる可能性があります。これは為替に関しても同様。バーナンキ議長が何をしゃべるのか、それを待つ形で手仕舞い優先の流れとなった週末の東京市場ですが、週明けの風景は、バーナンキ発言の内容と、その市場リアクションで決まってくるものと思われます。
円高抵抗力を付けてきたソニー(6758 東1 100株)が改めて注目されるポイントに差し掛かっています。銀行株を中心に4月高値期日に苦しむ銘柄が数多く見られますが、同社は3月23日に今年の高値をマークしており、既に期日は通過。それに伴い、株価は底堅さを増しています。6色パターンは上昇の「B」。また、下値をサポートする75日足が安定してピンク継続となっている点も買い安心感を誘うところ。個別材料ではグーグルテレビの先行きが期待されます。
割り切って行くなら6月高値159円奪回を目前に捉えてきた日本ピストンリング(6461 東1 1000株)。出来高は14日、15日と2日連続で(この株としては)300万株超の大商いを記録。増田足も先読みを含めオールピンクで先高を示唆していますが、この手の株は勢いを買うもの。長い影足が出ていることで、目先、はらみ調整に入る可能性もあり、その場合は株価が下げ止まるまで様子見が賢明でしょうか。