[北浜 流一郎先生の株式コラム 09月30日号]
9月相場を振り返り、10月相場を先読む
9月相場が終わり、10月相場に入りました。まずは9月相場を振り返っておきます。月初9月1日の日経平均は8833円。当日の安値8796円が今年の年初来安値となりました。そこから必死に戻って、9月21日には9704円の高値があって、月末30日は9369円で引けました。
その前日までは結構頑張っていたのですが、30日後場から急落開始、結局一日で190円も下げてしまいました。終わり良ければすべて良しになるはずでしたが、あまり気分のよろしくない月末になりました。
しかし、です。日経平均の月足はまぎれもなく陽線になりました。私は例年「9月は苦月」になると敢えて9月相場の厳しさを強調するのですが、今年はそれをせず、「月足は陽線になる確率が高い」つまり、9月相場は強い。こんな主張だっただけに、嬉しい終わり方になってくれました。
個別には多くの銘柄が8月下旬から9月1日にかけて下げたところから回復に転じ、いまもまだ回復基調を保っています。年初来高値を更新する銘柄も増えていて、この点からは好ましい状況にあるといまえます。
具体的にはカカクコム、日本ゼオン、三洋化成、カヤバ工業、ダイハツ、シマノ、サンリオ、シップヘルスケア、グリー、内田洋行、ユニ・チャーム、ソフトバンクなどがあり、日々その数は増え、賑やかになって来つつあります。
ところがここから始まるのは10月相場です。10月は、「重月」、あるいは「渋月」です。過去幾度も暴落が発生しているだけに多くの投資家が慎重になり、最悪の場合、暴落説が流れたりします。
これは東京市場に限りません。米国市場でも10月相場は鬼門となっています。米国の投資家たちも10月と聞いただけで、「暴落」ということばをパッと思い浮かべる。それほど警戒されている月です。
日本では9月が最悪イメージの月なのに対し、米国では10月になります。こんな月に入るのですから、もちろん警戒は欠かせません。為替市場での単独介入も一時は効いたものの、再び水準を高めていて、間もなく82円台に突入しそうな兆しを見せています。
これはアイルランドのアングロ・アイリッシュ銀行が資本不足に陥っていると判明したからで目先はすぐに落ち着きを取り戻すでしょうが、今後類似のことが起きる可能性はまだ残っています。そのためユーロ安⇒ドル安⇒円高の流れになりやすく、輸出関連の主力株は上下に大きく揺さぶられる恐れがあります。
ただそれらは、これまで数えきれないほど繰り返されて来たこと。たとえ上述なようなことが現実化しても、あわてふためいたりしないようにしたいものです。東京市場の回復スピードはイライラするほどスローではあるものの、上向きトレンドは不変。こう見てよいからです。
前述したような銘柄は、その先導役を務めていると見るべきで、今後その数は次第に増えていく。こう見てよいでしょう。
10月は確かに波乱月です。それに対する警戒は不可欠ながら、騰勢を保ち続ける銘柄が増える。一見矛盾するように見えるかもしれません。しかしそうではありません。個別に頑張る銘柄がある。こういうことです。
それらはこれまでも紹介して来ましたが、時代が強く求める製品やサービスを内外に提供する企業です。そんな会社が日本にはいくつもあり、それらの株価は今後も上がり続けるといえます。
政府は今回の尖閣列島問題で明らかになったように、まったく頼りになりません。売国奴的でさえあります。しかし企業は違います。中国がダメならタイ、マレーシア、ベトナム、インド、インドネシアがあるさ、とばかり生産拠点を移し、中国への販売を増やし続けます。
そこにはまったくためらいはありません。そうしなければ生き残れないからであり、そんな日本企業の必死な生き残り策と拡大策。それは高い技術力をベースにした成長策でもあり、それを信じてわれわれは資金を投じていく。これに引き続き努めたいものです。その先に株の勝利ありです。
では、具体的にはどんな銘柄が有望か。
まずは関東電化(4047 東1 1000株)です。半導体・液晶製造用特殊ガス、中でも特に三フッ化窒素に強い会社です。しかし投資対象としてはリチウムイオン電池用電解質。これに展開している点がポイントです。
改めて説明するまでもなく、リチウムイオン電池はすでに需要急増中ですが、今後一段の拡大が見込める製品。その製造に不可欠な電解質のメーカーなのですから、株が下げたところは見逃さないようにしたいものです。
製缶メーカーで知られる東洋製罐(5901 東1 100株)も注目ゾーンにあります。この会社は缶だけではなく、PETボトルを含め包装容器で首位を走っていますが、構造的に缶に似ているものの、実際はそうではない主力製品があります。
電池の外装です。電池も外側は缶のように鋼板で囲まれているわけで、この会社は電池用鋼板にも強いのです。
しかも電池の需要は、どんどん増えています。私も携帯音楽プレーヤーやその他リモコンなど様々な用途から電池を使いますが、それの外装を意識することはまずありません。でもそこには多くの場合、東洋製罐の鋼板が使われているのです。
最後にパラマウントベッド(7960 東1 100株)です。医療、介護用ベッドで首位の会社です。なんとそのシェアはなんと70%。圧倒的な強みを持っています。
実は我が家でも介護用ベッドを使っていますが、もちろんパラマウントベッド社製です。非常に使いやすく役立つため、特養ホームなどでは必ず導入するといってもよいほどで、今後も販売増が続くと見てよいでしょう。 株価は上昇を続けていましたが、30日は久しぶりに下げました。もう数日下げたら投資有利といえます。