[澤部 潔先生の増田足コラム 08月20日号]
昨年暮れの再現がなるか
市場は早期対策を求めるメッセージ配信
いっこうに止まらない円高、急減速を見せ始めた経済成長を受けて、政府・日銀がようやく重い腰を上げました。報道によれば、菅首相は週明けにも白川日銀総裁と会談を行い、政府は9月上旬まで経済対策の骨格をとりまとめる方針だそうです。
しかし、漏れ伝えられる方策や日程には、今ひとつ危機感が見られません。20日に付けの日経によれば、当初23日が有力とされていた首相と日銀総裁のトップ会談はまだ正式な日程すら決まっていないといいますし、経済対策をとりまとめるまでのスケジュールも歯抜けが目立ち、菅さんは、円高に苦しむ国民生活よりも9月に予定されている自身の代表選挙の方を優先させているのではないかとの気すらしてきます。
20日の東京市場は日経平均183円安と再び激しい下げに見舞われました。海外で再び株安・円高が進んだことを受けてのものですが、感覚的には、危機意識が足りない政府・日銀に早期の対策を求める、市場からの強烈なメッセージではないかと思います。
確かに、昨年暮れ、ドバイショックの円高・株安の際には、同様にセッティングされた当時の鳩山首相と白川日銀総裁のトップ会談を待たずに、株価と円は反転に向かっています。会談を前に日銀が臨時の政策決定会合を行い、新型オペの導入を決めたことがキッカケ。果たして、今回も前回のようなサプライズがあるのでしょうか。しかし、円と株の水準は昨年と同じですが、例えば、昨年暮れ、米国経済は拡大に向かっていたのに対し、今回はスローダウンと、状況が微妙に違います。日銀は前回発動した新型オペの資金積み増しと期間延長で凌ぐ方針ではと伝えられていますが、果たして、それで円高・株安を止められるかどうか。
いずれにしろ、トップ会談の内容をはじめ、ここから政府・日銀が行う対策の内容次第で、反転の可能性もあれば、状況がさらに悪化する可能性もあるというのが、現在の基本的な認識。内容が見えるまで、安易な決め打ちは禁物です。