[北浜 流一郎先生の株式コラム 08月19日号]
一方的円高、一方的株安にようやく転機。
日経平均は目先8000円を割るのか、10月頃にはもう一段下げて7000円台になるのか。いや、5000円って説もあるけどどう思うか?
こんな質問が多く、正直困惑しています。明日のこともよく分からない日々なのに、10月に暴落するかどうかなんてなおさら分からないからです。
それでは投資しようがない。こういう方も増えています。しかしそこには何かの勘違いがあります。株式投資では、改めて説明するまでもなく、明日のことは分かりません。
これは私だから分からないのではなく、この世のどこにも明日何が起きるか分かる人などいないのです。ましてや10月に暴落があるかどうか。日経平均が7000円台になるのか、はたまた5000円台になるのかなんて分かるという人がいたら、お目にかかりたいぐらいです。
もちろん明日のことや10月、さらには来年1月がどうなるか、はっきり分かればそれに勝るものはありません。しかし株式投資では未来を分かろうとするより、状況に合わせて参入、撤退を繰り返す。この方がはるかに成果が上がりやすくなります。
うまく行くと思えば買ってみて、うまく行かなければ損切りして撤退する。これの方式で市場に臨むのが結局もっとも安全なのです。
それともう一つ。市場の見方が一方に偏るかどうか。この点へ着眼するのも有効です。市場がこれからどうなるかではなく。市場参加者の考えがどの方向にどの程度傾いているのか。これを見るのです。
そこでは市場そのものがどう展開するかではなく、市場参加者の心情がどう変化するか。この読みが重要になります。
この点、いまはどうなのか。ほとんどの投資家は悲観色に染まっています。私がご相談に応じている投資家さんたちも、持ち株を売りたいというご相談がほとんどです。
このような事実から分かるのは、ほとんどの投資家が日本経済と東京市場の先行きは暗く、株を所有していたらもっと下げてさらに損する。まだ間に合うので早く逃げ出したい。こう思っている人が圧倒的多数を占めるようになっていることになります。
これが私には東京市場の先高を予見させる兆候に見えるのです。
4月から今月にかけて東京市場は20%下げました。これは世界でもっとも大きな下落幅ですが、同時に市場が調整局面に入った場合、止まりやすいところでもあります。
それに為替も15年来の高値になってさすがに政府、日銀もそれを強く意識するようになっています。だから有効な阻止策を打ち出せるとは限りません。しかし政府や日銀が強く意識しはじめたことで、一方的な円高は避けられるようになるでしょう。
世界各国はどこも通貨安策をとっています。そんな中で日本だけがのほほんと円高を容認している。愚かしい限りです。さすがに政府も日銀もそのお目出たさに気付くでしょう。それがすぐに円高阻止になるとはいえないものの、円は当面8月11日につけた高値84.75円を突破できないでしょう。
それとともに東京市場は落ち着きを取り戻す可能性高く、多くの銘柄がゆるやかながら蘇生に向かい始めるでしょう。その兆しはすでに見えていて、動きの重いソニー、そして安川電機、三菱電機なども底値から次第に水準を切り上げつつあります。
注目したいのは、そんな動きが市場最悪ムードの中で起きていること。市場は自律反発を開始したといえます。
で、注目したいのはまずは東急リバブル(8879 東1 100株)です。東急沿線を中心に不動産の仲介、売買を主業務とする会社です。私が住む地域にも同社の取り扱い物件が多数あり、その販売動向を見ると、同社の好調さがうかがわれます。収益が明らかに上向いており、株も期待が持てます。
ただここ数日上昇し続けているため、浅い押しを待っての仕掛けが安全です。
これまたすでに戻り高値を更新中なのですが、東レ(3402 東1 1000株)もまだこれからの銘柄です。高機能フィルム、炭素繊維需要が好調なのに加え、これから季節は冬に向かいます。
冬になると売れるのが決まっているのがユニクロのヒートテック製品です。それは東レが提供しているものであり、季節が冬に向かうにつれてそのことが話題になるでしょう。それに備えていま投資しておきましょう。
高値圏で足踏み状態にある日本空港ビルデング(9706 東1 100株)もここでの投資が有利と見ます。この会社は羽田ターミナルビルの家主。現在建設中の新国際線ターミナルも同社が運営する施設です。オープンは10月21日。それまでの間に再浮上を見込んでシフトしておきたいところです。