[杉村 富生先生の株式コラム 08月09日号]
1~7月の値上がりランキングのトップの市場は?
100年に1度の金融危機(サブプライムローン・ショック、リーマン・ショック)の次は「100年に1度の猛暑」です。とにかく“暑い”の一語です。ヨーロッパは気温上昇、ロシア、インドはかんばつ、中国北部、パキスタンは洪水に見舞われています。
異常気象です。地球温暖化の影響なのでしょうか。筆者にバード・ウオッチングを趣味にする友人がいます。彼によると、「これまで日本では絶対みれなかった鳥が何種類も発見されている」といいます。
しかし、株式市場は、逆に、凍りついています。市場センチメントは冷え切っており、“兜町冬景色”といった状況です。それに、高校野球が始ったし、お盆休みを控えています。加えて、円高です。今後、見送りムードが一段と強まるでしょう。
再三指摘しているように、日本の株式市場は為替(円相場)との感応度が極めて高いマーケットです。もちろん、円高→株安、円安→株高のパターンとなっています。
2009年11月27日には1ドル=84円82銭の円高(直近の高値)になりましたが、この日の日経平均株価は9081円と、直近の安値を付けています。その直後、日銀の円高阻止の施策(10兆円の流動性の供給)があり、円は2010年4月5日に94円70銭の水準まで下落しました。一方、日経平均株価はこの日に、1万1339円と、今年の高値を示現しています。
まさに、円相場と日経平均株価の“天底”がピッタリ一致しているではありませんか。要するに、今後の相場を占うカギは為替(円相場)にあり、為替次第との見方ができます。
投機筋は「いまの日本政府には何もできない」と、安心して円買いに走っています。日本のファンダメンタルズを評価しているのではありません。菅政権の“無為無策”を反映した円高なのです。それだけに、始末が悪いですね。円高は企業収益を圧迫し、消費者心理を冷やします。だからこそ、日銀は早急に動くべきではありませんか。
日銀の円高阻止策としては利下げ、国債の買い入れ増額、流動性の供給などが考えられますが、政策金利が0.1%とあって利下げの余地は乏しく、国債の買い入れ増額は総ワクに問題があり、現実的ではありません。
やはり、決め手は流動性の供給でしょう。これはいつでもできます。あとはタイミングの問題でしょう。投機筋を「ギョッ」といわせることは必要です。恐らく、84円台突入の局面では何らかのアクションがあるのではないか、と思います。
それに、この相場は基本的に往来(ボックスゾーン)の動きです。日経平均株価は当面、9000~1万1000円の間でのもみ合いでしょう。しかも、為替次第の展開です。
実は、これは韓国の株式市場も似たような状況にあります。いや、輸出比率が54.8%(日本は17.4%)と高いだけに、ウォン安→株高、ウォン高→株安の振幅は日本よりも大きいのです。ちなみに、ウォン安を好感、韓国総合株価指数は7月26日に年初来高値を更新しています。
なお、2010年1~7月の世界に主要93株価指数のうち、最高のパフォーマンスを記録したのはどこだと思いますか。それは「モンゴル・トップ20指数」です。年初来の上昇率は59.8%です。
モンゴルはウラン、金、銅、モリブデンなど鉱物品が輸出品の上位を占める資源国なのです。その国が人気を集めています。それらは資源・エネルギー価格の上昇を暗示しているのではないでしょうか。
三菱商事(8058 東1 100株)、三井物産(8031 東1 100株)などは仕込みの好機ではありませんか。猛暑とあって、穀物市況が急騰しています。丸紅(8002 東1 1000株)は食糧ビジネスに注力しています。
一方、売られすぎのエス・エム・エス(2175 マザーズ 1株)が反発の動きを鮮明にしています。商いも膨らんでおり、ここは要注目です。