7月相場、絶不調スタート。回復に備えて準備だけはしておこう。
東京市場は絶不調な動きです。2010年相場も丁度半年が過ぎましたが、ここに来て年初来安値更新とは残念至極です。
今週は元々上がりにくい週ではありました。重要イベントが予定されていたからです。米国で4月のS&Pケースシラー住宅価格指数や6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数の発表、国内では7月1日の日銀短観発表が予定されていました。そして週末には米国で雇用統計発表という具合に。
以上のうち、この原稿を書いている時点ではまだ雇用統計の発表が終わっていません。それは悪化が予想されているのです。先月に比べてマイナス10万~15万人ぐらいだろうと。国勢調査のための臨時雇用がなくなるためという理由からです。
実際どんな人数になるか分かりませが、マイナス10万人なら株は下がらないだろうが、15万人以上となると下げてしまう。こんな見方から買いが入りにくかったところに、二つの新しい売り材料が加わってしまいました。
(1)人民元高による中国経済の減速懸念。
(2)格付け大手ムーディーズによるスペイン国債の格付け見直し予告発言。
これらにより為替が円高に振れ、それですべてが決まってしまったような展開になってしまいました。円高。ハイ、そうですか、それでは株安ですね、といえるようなパターン通りの展開になりました。
こんな状況はいつになったら終わるのか。欧州財政危機というブラックホールがある以上、簡単には終わりません。いつまた格付け機関が新たな格下げ予告や実際に格下げしないとも限らないからです。
EU連合の各国国債の格付けを見直して行けば、いつ果てもなくそれは続くでしょう。次はポルトガル、さらにはイタリアもという具合に。
こんな状況での投資は、雲の晴れ間を狙うか、現在のような最悪と思える局面で投資し、時間をかけて回復を待つ。こんなやり方が有効になります。
欧州の財政危機に関するマイナス情報も、さすがに毎日は出て来ません。それゆえマイナス材料が出て株価が下げたところでシフトしておいて、浮上したら的確に売る。
その後、その株がまた下げたら、そこで買い直す。これを繰り返すのです。
少し時間をかけるなら、日本企業の経営力に期待し、やはり現在のような状況で投資しておき、半年~1年は持続します。これは日本企業の収益回復を市場が正当評価するのを待つ方法であり、少し時間はかかるものの、あわただしい思いをすることなく利益を上げられます。
日経平均が安値を更新するような状況でこんなことを書いても、恐らく説得力がないでしょう。しかし株式投資では、最悪と思える時に投資した人が勝利するのです。この点で、いまは新規投資を考える人にとっては喜ぶべきところになります。
もちろん、すでに株を所有している人にとっては逆です。そのため持ち株を投げ出したくなるところですが、信用取引でない限り、持続すべきです。例外を除き、安値で放り投げるべきではありません。
さて、ここでの注目銘柄。まずはファナック(6954 東1 100株)です。いまは何もかも下げていて、この株も例外ではありません。しかし中国では工場労働者たちのストが多発しています。低賃金に我慢できなくなっているのです。
かといって企業はどんどん賃金を上げるわけに行かないでしょう。そこでどうするか。産業用ロボットの導入です。ファナックは多関節ロボットの最大手。今後製品需要の拡大は必至であり、株価が下げたところはしっかり捕まえておきたいものです。
中国での販売好調なのは機械だけではありません。日用品需要も急拡大中であり、花王株(4452 東1 100株)も魅力的です。
花王製品の国内需要は頭打ち傾向にあります。しかし中国、東南アジアでのブランド力は非常に高く、需要の拡大が続いています。株も当然強く、少しでも下げたらシフト有利といえます。
最後にややリスクの高い銘柄を。NTTデータ(9613 東1 1株)です。この会社では最近特許庁職員に対する贈収賄容疑で社員が逮捕されました。組織ぐるみかどうかいまのところはっきりしませんが、とんでもない事件を引き起こしたのは確かです。そのため堅調に上昇を続けていた株価は急落しました。当然の動きです。
しかし投資家としては、ここはしっかり拾って回復を待ちたいところです。すぐの回復は無理でもこの下げは先行きを考えると魅力的です。