[北浜 流一郎先生の株式コラム 06月24日号]
続く涸れ梅雨相場。しかし田植えを怠るまい。
南欧の財政危機問題が小康状態にある間に、日経平均は着実高して欲しいところですが、やや波乱の展開です。
6月9日に9378円の安値をつけて21日には10251円まで戻ったのはもちろん歓迎できます。問題はその後です。上下動が激しく、非常に手がけにくくなっています。何とか落ち着いたと思って出動すると、たちまち戻り売りに押されてしまい、利食いにくい。
こんなことになっているのは、市場参加者の少なさにあります。東証1部の出来高がなかなか20億株台に乗らないのです。14億株台から17億株台の推移であり、いわゆる閑散状態が続いています。
これでは涸れ梅雨。指標は上昇してもそれが長続きしません。腰の入った買いがないことになるからです。
参院選が始まったことが原因か。それはほとんど関係ありません。やはり考慮すべきは欧米経済であり、このところ米国の住宅需要についてかんばしくない指標が明らかなりました。5月の新築、中古いずれの販売も急減速していたのです。
そのためFRBは22日~23日に開催されたFOMCで金融緩和の継続方針を明確にしました。これまでは今年の年末には緩和の解除に進むと見られていたのですが、いまではそれは難しかろうとの見方が多くなっています。
米国の超低金利継続は日本にとっては有り難いような、そうでないような、です。低金利継続による米国での住宅需要や企業収益の拡大が見込めるのは好ましいのですが、それは為替市場でのドル安要因。日本株にはマイナスに働きかねません。
この点、懸念材料となってしまいますが、幸い日本の輸出関連企業は、円高にも関わらず貿易黒字を増やし続けています。財務省が24日発表した5月の貿易統計によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は前年同月比15.2%増の3242億円の黒字でした。
実に14カ月連続の黒字です。円高で苦しいと言いながらも、企業はしっかりと黒字を積み上げ続けていることになります。
株式市場はこの事実をもっと高く評価して良いと思うのですが、そうはなっていません。相変わらず日々の好悪材料により、波乱の動きを続けています。
こんな状況への対処は、やはり悪材料、気がかり材料で売り込まれ、下げたところで買い、円安などの好材料で上げたところで売る。これで行くに限ります。
特に21日に見られたような急騰局面では、ほくほく顔で売ることを考える。これが非常に重要です。
ところが私が知る限り、反対の動きをする人が多い。21日などは、「今日は寄りつきから大幅高だ」と買い気満々になっている人もいたほど。これではやられてしまいます。急騰局面は買いではなく、売りが鉄則です。すぐに売らないまでも、いつでも売れるように準備に入っておくべきです。
このような視点から見ると、ここから仕込み期に入ることになります。日経平均は1万円を割り込み、なかなか1万円台で定着しませんが、買いはもちろん1万円に届かないうちに実行しておきたいものです。
で、具体的に注目したいのは、まずは電気化学工業(4061 東1 1000株)です。カーバイドで首位の企業ですが、株価支援材料になる可能性が高いのは別の材料です。
この会社は電子材料にも強く、特にいまは白色LED蛍光体の需要が急拡大中です。この製品は今後も需要増が見込めるため、収益寄与も大に。株価は現在調整中だけに440円前後での仕込みなら有利と見ています。
いまは販売好調なのは自動車やハイテク製品ばかりではありません。筆記具もそうであり、三菱鉛筆株(7976 東1 100株)も狙いどころにあります。
この会社の製品を使ったことのない人は珍しいでしょう。特にuniブランドは有名で、われわれにも馴染み深い製品が数多くあります。
それらがいま中国をはじめ、米国でも好需要なのです。株価はそれを好感し回復基調にありましたが、このところ騰勢が弱まっています。ここを見逃さないようにしたいものです。
最後は日野自動車(7205 東1 1000株)です。トヨタ系のトラック大手であり、中大型に強いことでしられています。トラック需要はもちろん景気に大きく左右されますが、いまは欧州を除き、世界経済は回復基調であり、それに伴い荷動きの活発化からトラック需要も回復色が鮮明です。
日野の場合、中大型が得意であり、それらの需要は小型よりは遅れるものの、今後拡大必至と見てよいでしょう。株価はそれを好感する動きを見せていましたが、ここ数日失速です。しかし25日移動線価格は467円。その前後での買いならリスクは低く、先行きの利益増が見込めます。