パニックは政策の母!&避けよ、売りの3悪!
いや~ひどいですね。5月6日のNYダウは何と、瞬間998ドル安の9869ドルの安値まで売り込まれました(終値は348ドル安の1万0520ドル)。実に、4月30日~5月7日の下落幅(終値ベース)は786ドルに達しています。
株価暴落の主因はギリシャの財政赤字問題ですが、5月6日にNYダウが一時、1万ドルの大台を割り込む急落を演じたのは、マーケットの“特殊事情”によるものでしょう。すなわち、NYダウ採用銘柄(プロクター&ギャンブル、スリーエムの2社)に対する誤発注に加え、1万0500ドルの仕組み債がノックイン、これが先物の売りを誘い、さらにはロス・カットの売りが重なったのです。
もちろん、最近の株式市場はアルゴリズム取引、ハイ・クェンシートレード、スキャルピングなど金融工学を駆使した売買、超目先の高速回転商いが主流になっています。さらに、商品先物取引で使われていたストップ・ロス、ダブル逆指値、FX(為替取引)では常識の3本指し値といった高度なテクニックをごく普通の投資家が多用しています。
このため、機関化現象の進展と相まって、値動きが荒っぽくなるとともに、一方通行になってしまうのです。やはり、株式市場には多種多様の価値観を持った多くの投資家の参加が不可欠なのです。恐らく、5月6日のNY市場のような“出来事”は今後も起きるのではありませんか。
5月6日には為替市場でも1ドル=87円台の円高が進行(東京市場の高値は翌7日の90円68銭)、市場関係者をギョッとさせました。ドルの投売りはファンダメンタルズ要因ではなく、テクニカル的なものでしょう。すわなち、主因はストップ・ロス、およびロス・カットです。
東京市場では日銀が90円をターゲットに金融調節(買いオペレーション→資金供給)を通じた“介入”を行なうようです。5月7日がそうでしたし、3月4日もそうでしたね。従って、円の一段高はない、と判断しています。
むしろ、ザラバベースでは東京市場の場合、94円99銭の水準で強力に“抵抗”しており(95円に大量の円売り予約?)、ここを突破されると一気に97~98円の円安突入の可能性が指摘されています。もちろん、逆に、人民元切り上げに伴う円高リスクがメディアでは取り上げられます。
しかし、これは再三指摘しているように、事実誤認です。確かに、初期反応は人民元切り上げ→円高ですが、すぐに元の水準に戻り、その後は円安に振れています。ちなみに、2005年7月21日(人民元は2%の切り上げ)のケースでは円は2.3%高になったものの、円高はこの日だけでした。今回も同様のパターンになるでしょう。
いずれにせよ、金融マーケットは大混乱に陥っていますが、ここは冷静な対応が求められます。2007年以来、筆者が繰り返し、繰り返し述べてきたこと、それはパニックは政策の母!です。すなわち、マーケットが動揺し、人々がパニックに陥るたびに政策対応は強化されるのです。ギリシャ支援だって、マーケットの動揺にせき立てられるように、決まったではありませんか。
対応が遅いッと怒ってみても始まりません。歴史的に危機を回避した人は英雄になれないのです。対応が遅れるのは当然です。つい1週間前までドイツ連邦議会はギリシャ支援法案を否決する、といわれていたではありませんか。後手後手に回るのは日本の政治家だけではありません。
まぁ、この局面では売りの3悪(やれやれの売り、腹立ち売り、ろうばい売り)のうち、ろうばい売りは避けたいと思います。ともあれ、嵐のときは動くな!が基本です。“多動性”の人にはイナリサーチ(2176 JQ 1株)、ザインエレクトロニクス(6769 JQ 1株)、イノテック(9880 東2 100株)を。“川底の金貨”です。もとより、ファンダメンタルズは良好です。
