円キャリー・トレード再燃の可能性!
ドル高・円安です。間違いなく、ドル・キャリー・トレードの巻き戻しが起きています。「年末年始を控え、単なるポジション調整の動き」(市場関係者)との見方が強いものの、ドルの調達が徐々に難しくなっている面もあると思います。
リーマン・ショックが各方面に急激、かつ深刻なダメージを与えたのはリーマン・ブラザーズのCP(コマーシャルペーパー)のデフォルト(債務不履行)を受け、短期金融市場が一瞬にして機能不全の状態(信用収縮)に陥ったことによるものです。
CPは短期資金を調達するための約束手形の一種です。アメリカの場合、8割強が金融機関の発行であり、主要な買い手はMMFでした。それがリーマン・ショックを契機にCP運用から撤退するとともに、手持ちのCPを処分しました。やはり、CPがデフォルトになり、額面割れの危機に追い込まれたエンロン事件の“二の舞”を避けようとしたのでしょう。
買い手がいなくなってはCPの発行は不可能です。そこで登場してきたのがFRBなど各国の中央銀行です。緊急避難的に、CPを買いました。未曾有の金融危機に対応した流動性供給の一環です。
この結果、アメリカ以外の金融機関が発行するCP残高をみると、2009年5月20日の1060億ドルをボトムに、12月2日には2645億ドルと激増、リーマン・ショック前のピーク水準(2008年7月2日の2526億ドル)を上回りました。これは短期金融市場の正常化を示すデータですが、「この増加はやや異常」(大和証券)との声もあります。
ともあれ、この資金調達が他通貨に転換された場合、ドル安要因になります。さらに、ドルの先安感の高まりはドル債務の積み増し意欲をかり立てます。いわゆる、これがドル・キャリー・トレードであり、ドル安・円高の一因だったと指摘できます。
しかし、FRBはCPの買い取りなど多くの流動性供給策を2010年2月1日に打ち切る予定です。ECBも「出口戦略」を模索しており、現状では超低金利(+)超金融緩和を続けているのは日本だけです。このため、円キャリー・トレードが復活する可能性があります。これは円安要因になります。従って、円安を背景に、年末年始は意外に堅調な相場展開となりそうです。1ドル=92~93円に突入するようだと、高値納会になるでしょう。
狙い目は個人主導の相場を手掛かりに、不二家(2211 東1 1000株)、三井松島(1518 東1 1000株)、コープケミカル(4003 東1 1000株)などに注目できます。オーソドックスな銘柄ではフォスター電機(6794 東1 100株)、KIMOTO(7908 東1 100株)、アコーディア・ゴルフ(2131 東1 1株)、日本電気硝子(5214 東1 1000株)、ダイキン(6367 東1 100株)、オリンパス(7733 東1 100株)などに妙味があります。
2010年に大化けしそうな銘柄としては、ハドソン(4822 ヘラクレス 100株)、大日本スクリーン製造(7735 東1 1000株)などに注目できます。特に大日本スクリーンの410~420円がらみの水準は仕込みの好機です。ゴールドマン・サックスは2012年3月期の連結1株利益を53円と予想しています。長期的には株価倍増も夢ではありません。