年末年始は“株高”と考える理由?
短期的にはドル・キャリー・トレードの巻き戻しが起きているのではないか、と判断しています。金価格のピークアウト、原油価格の下落がその動きを裏付けています。新興国通貨も波乱含みです。
ドルは反発します。従って、円安です。これは“1人負け”の日本の株式市場にとって、大きな支援材料になるでしょう。年末年始は予想外に、高いのではありませんか。
なにしろ、2009年(12月10日現在)の世界の株式市場の主要な株価指標の騰落率を見ると、ロシアRTS指数は(+)116%、アルゼンチン・メルバル指数は(+)102%、ペルーIGBVL指数は(+)101%と2倍以上になっているほか、ブラジル・ボベスパ指数は(+)83%、中国・上海総合指数は(+)78%、インド・ムンバイSENSEX指数は(+)77%などと、軒並み急騰です。
さらに、韓国・総合株価指数は(+)47%、NASDAQ総合指数は(+)41%、NYダウだって(+)20%となっています。しかし、日経平均株価は(+)11%、TOPIXは(+)3%にとどまっています。
JASDAQインデックスは(-)2%です。騰落率ランキングの最下位(メーカー)はこのJASDAQインデックス、ブービーはTOPIX、日経平均株価は下から4番目です。
安心してください。日本勢が“下位独占”ではありません。ミラノMIB30指数の(+)3%が下から3番目に入っています。とはいえ、情けない話ではありませんか。
まさに、なぜ?です。その理由については再三指摘しているように、短期的な視点、構造的な視点と数えあげればきりがないほど存在します。
特に、円高傾向、バーゼルⅢの自己資本規制、鳩山政権の政策に対する不信感が大きかったのではないでしょうか。
このうち、為替は一時、1ドル=84円台に突入したものの、日銀の追加の金融緩和(10兆円規模)、鳩山政権の7.2兆円の補正予算の編成方針(現実的な政策に転換)などに加え、前述したドル・キャリー・トレードの巻き戻しの動きがあって、円安に振れています。
やはり、いかにリスク・マネーの大量供給があったとはいえ、リスク資産への過度の傾斜はドバイ・ショック、ギリシャ・ショックの反省もあり、多少は自重しようとのムードになっているのでしょう。FRBのリーマン・ショックに対応した緊急避難的な施策の一部解除の方針も影響していると思います。
もちろん、アメリカの超低金利政策(FFレートの水準0.00~0.25%)は2010年後半まで続けられる見通しです。これを受け、再びドル・キャリー・トレードが活発化(金、穀物、原油などコモディティ市況の高騰)する可能性が残っています。
バーゼルⅢの自己資本比率規制については、10年以上の移行期間が設けられることになりました。これは大きな材料です。とりあえず、メガバンクの株価はジリ高になるでしょう。
早い段階に、7月末の株価水準まで戻すでしょう。ちなみに、7月末の株価水準はみずほFG(8411 東1 100株)が215円、三菱UFJFG(8306 東1 100株)が566円、三井住友FG(8316 東1 100株)が4050円です。
テーマ的にはタッチパネル、親子上場の禁止(民主党が法制化を準備)などが話題になるでしょう。タッチパネルでは日本写真印刷(7915 東1 100株)に注目しています。
親子上場の禁止についてはハードルが相当高いと考えていますが、IFRS(国際会計基準)の導入が自発的な親子上場の解消を誘発するのではないでしょうか。
なお、上場企業が株式の50%超を保有している上場企業は約270社あります。多いのは伊藤忠グループの8社、イオングループの14社、セコムグループの4社、三菱商事グループの4社、富士通グループの5社、日本電産グループの5社、ゼンショーグループの4社、キヤノングループの5社、トヨタグループの4社、日立グループの9社などです。
完全子会社の手法はTOB、株式交換などがありますが、これまで(2003年以降、94件あり、その手法は半々)にNECが3社、日立が5社、富士通が3社、新日鉄が4社行なっています。