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写真小話

私が撮影しながら散歩した備忘録的な記録

2021.05.26

世界中にあり、時折耳に入る財宝伝説、そんな伝説が普段知らずによく行く所や近所にあったら…

神奈川県の丹沢山塊の西端、西の隅?三又状の丹沢湖の西側より流入している川に世附川がある。

その世附川流域の山々は山梨県との県境の丹沢主稜を除けば1000mに満たず登山道もない地味な山々が連なっており、渓流釣りを除けはレジャーで訪れる人もほどんどいない静かで地味な地域である。

そんな世附流域にかつて後醍醐天皇の財宝を探してトレジャーハンティングブームが巻き起こっていたという。

そしてその根拠としてこの山域に鎮座する山の神が後醍醐天皇との縁を持つという。

その山の神の場所は30年前から登山用地図に場所が掲載されているが、山域の地味さ故登山道が通っておらず、普通に歩いて行く場所ではない。

今回、件の山の神付近に突き上げる沢を遡行して山の神に至ってみたいと思う。

丹沢湖西側の湖岸道を走り林道入り口へ至る、ここより先は車両通行止めである。

 

この林道は近年、毎年のように発生する大雨により崩壊著しく修復しては崩壊しての繰り返しである。

この崩壊地もすでに2年以上経過している。

 

この地域だけでなく他の地域も含めてもはや林道を維持することが不可能に思えてくる。

 

悪沢入り口の淵、なんだかんだ言っても普通に沢歩きに来ただけと言えばその通りで…世附川流域は年2回くらい来る所。

でも、なにか他に目的というか、動機付けというか、こんな財宝話があればちょっと楽しい。

 

悪沢出合いはスリット堰堤で世附川に合流している。

悪沢の渓相

悪沢の淵、昨年は岩タバコの季節に遡行してます。

悪沢は名前に似合わず危険個所の少ない静かな沢なので、手ごろなんだよね。

支流の滝。

支流の滝2

実はこの悪沢、途中で山の神沢と熊沢に分かれ、山の神に行くならその名の通りの山の神沢を詰めればあっさり到着できるのだけど、山の神沢は地図で見る限りちょっとつまらなさそうなので、熊沢を詰めて稜線を歩いて山の神に至るとしよう。

まぁ、つまり私にとって財宝伝説も山の神もついでにちょっと行って見る程度の興味だったりして…。

 

山の神沢と別れた後、倒木帯登場

沢の詰めにも倒木が…

稜線に到着

椿丸付近に展望があるが他は樹林の中、そんな稜線を山の神へ向かう。

割と広く、変化のない稜線を山の神までトレースするのは、ちょっと難しい。

藪が無いだけでも御の字である。

そして、山の神に到着…

あ~あ、豪快に壊れちゃってるよ。

今でこそ林業関係者以外めったに人の来ない場所だけど、かつてはしっかりした道が駿河方面から甲州へ通っていた事は間違いない。

世附界隈は戦国時代の名残を感じさせる地名が多く、武田信玄の足跡も多い、駿河、甲州、相模の交流道としてそれなりに利用されてました。

それが今や訪れる人もなく放置され、朽ち果てていくのを待つのみである。

この山の神、ダイゴ様と呼ばれていたらしい。

崩れかけてるけど、かつては手前に転がっている石がおにぎりみたいな形の石の上に乗っかっていたようだ、そしておにぎりみたいな形の石と下の白い土台の間にある黒っぽい台に菊の紋が彫られている。

この黒っぽい石だけが他の構成物に対し著しく古いようで、菊の紋と推定年代が後醍醐天皇の頃(根拠不明)であるという事で、この地に財宝埋没伝説が発生したようだ。

財宝探しブームは大正時代に発生し、そのころここら辺りの大人たちはマジで宝さがしをしていたという。

 

こういう山の中に財宝話を聞くにつけ思う事といったら、「それ絶対ねぇな」

落ちぶれていく権力者は落ちぶれ方の遅い早いに関係なくまぁほどんど財を使い果たすと思うし、子孫が再起を図る時のためにと考えたとしても山の中とか水の中とか隠さないって!うっかりどっかの馬の骨が拾うかも知れないし、隠した仲間が取っちまうかも、それと時間がたつと隠し場所がわかんなくなっちゃうよ間違いなく、山の地形なんて割とすぐ変わっちゃうしね、童歌みたいなわかりにくい手がかりとか埋める側だったら考えないよきっと。

でも、こういう事考えるのって楽しいですよね!いろいろこじつけてもっと発展させてほしいものです。

 

まぁ、財宝の真偽はさておき、ここに朽ち果てていかんとする山の神があることは確かで、これ何とかならんもんかね?かつての山の住人はとうの昔にいなくなり、ここに信仰を寄せる人がいなくなった。

昔の甲駿交易道を復活させてハイキングコースとし、甲駿古道とか言ったりして人が来れば…

個人的には人気が出て人がごちゃごちゃ来ると興が冷めちゃうけど。

 

山の神を後にし、道のない尾根を悪沢出合いへ向かうと小さなピークを越えてすぐに広い空間に出た。

どうやら林業作業時に作られた山仕事道の廃道に出たらしい、ラッキーである。

藪を歩かなくて済むのは有難い。

想定外のラッキーであっさり世附川沿いの林道に戻る事ができた。

この林道周辺には結構見ごたえのある滝が多数ある。

この滝もかつては観光客が吊り橋を渡って見に行けたようだ。

紅葉の季節もなかなか綺麗なのだけど人気ゼロなため静かでよいところである。

おしまい