管理人が人生で初めて買った海外の詩集。


とある本のイベントの。


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私の大好きな出版社「港の人」のブースで出会いました。


【詩や文学は、本質的にはより人間的な部分、生と死にまつわる「魂の表現」だと考えています。とくに詩は、魂のことを短い言葉に凝縮して、直接的に表現するという意味で、ほかの文学とは違った位置にあると思います。だから、詩集、歌集、句集などの仕事は、魂の声をかたちにする特別な仕事だという気がしていて、大事にしていきたいと思っているんです。】




こう語る「港の人」が 隅々まで計算し尽くして作った一冊は、1943年、ポーランドの地下で書かれた詩集です。



作者は、1980年にノーベル文学賞を受賞した、チェスワフ・ミウォシュ。


タイトルは、「世界」。


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戦火に巻き込まれ、死の叫びを聞きながら過ごしていた詩人がペンの力を用いて描いたのは、「温かい絆と穏やかな自然の交流」でした。戦時下のワルシャワで、このような作品が出来上がったのは何故でしょうか。



あとがきで、詩人自身が語っている言葉を引用させていただきましょう。




「『世界』の要点はなにかーこれは、世界はいかにあるべきか、という問題をめぐる詩なのです。この作品は悲惨な状況の中で書かれました。1943年のワルシャワは、どん底でした。でも、それに逆らって書くためには、魔法のひと振りで足りたのです。当時の世界は、それについてなにか言おうとすれば、語るのではなく大声で叫ばなければならないようなものでした。だからこそ、私はそれに逆らって、あるべき世界について書こうと決めたのです。」




シンプルな表紙に、シンプルな装い。だけど、本を開くたびに文字の色が変わっていくように思える不思議。



ティッシュに水を浸した時のように、脳にじーんと染み込む詩。




一生、大事にしたいと思える本でした。



私がとやかく言うより、ぜひ読んでほしい。みんなに読んでほしい。皆さまがこの本を手にとった暁には、ウイスキーを片手に、語り明かしましょう。