
インド下院の総選挙において、最大野党だったインド人民党(BJP)が過半数の議席を獲得し圧倒的勝利。BJPのナレンドラ・モディ氏(63)が26日、首相に就任した。
インドで10年ぶりに政権交代が実現する。多数の政党が乱立する同国で、一つの政党が下院の過半数を制したのは30年ぶり。最大与党だった国民会議派は議席が4分の1以下に減り、歴史的な大敗を喫した。
近年のインドはインフラ整備の遅れなどから成長が鈍化。一時は実質経済成長率が年率10%前後を記録していたが、昨年は4%台ににまで落ち込んだ。
これまで政権を率いたシン首相は、就任当初の高成長を維持できず支持率が低迷。有効な手立てを打ち出せないでいたのは、保守的な与党の抵抗を突破できなかったためという見方が強い。
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新首相に就任したナレンドラ・モディ氏は、西部グジャラート州首相として実績を上げた手腕が期待されている。

2001年から同州の首相を務め、電力や道路・港湾などインフラ整備を進めるとともに投資手続きの簡素化に取り組み企業の誘致に成功。インド全域で停電が相次ぐなか、電力供給網を整備。米GM、米フォード、スズキなど自動車大手を相次ぎ誘致し、地域の雇用創出につなげた。
現在、グジャラート州はインドで最も高い経済成長を遂げている。
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モディ氏はヨガを好み、菜食主義を貫き、清廉潔白であることも知られている。今でも母親は小さなアパートに住み、兄弟も政府の事務員や小さな小売店の店主をしており、家族ぐるみの汚職が大きな問題となっているインド政界では、クリーンなイメージを持たれていることも人気の理由のひとつである。
その一方で、宗教対立が強まる懸念が出ている。
モディ氏は、ヒンズー至上主義団体のRSS(民族義勇団)メンバーで反イスラム的言動でも知られており、イスラム教徒襲撃を黙認したとして批判されている。
2002年にグジャラート州でヒンズー・イスラム両教徒が衝突し、1200人以上のイスラム教徒が虐殺された事件において関与が疑われた。後にインド最高裁で直接関与したという疑いは晴れたが、州首相として鎮圧に向けた措置を怠ったと非難された印象が残る。
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今回の選挙でBJPは単独過半数の議席を獲得。
経済成長への期待に、権力が託された。