「耕せど耕せど 久我山農場物語」の著者の伊藤礼さんは2002年まで日本大学芸術学部の教授をされていた方で、著作としてはロレンスの翻訳書などもある。
この本は自宅農園のエッセイで2013年出版である。
副題に「久我山農場物語」とあるが、この久我山とは東京都杉並区の久我山である。
久我山に住んでいる友人とこの本の話をしていたので、ブログでも紹介することにした。
自宅農園を始める前は、東京をぐるぐると自転車で回っていたようである。
父親は作家の伊藤整氏なので、こんな本も書いている。
さて、本題の「耕せど耕せど 久我山農場物語」の話に戻ろう。
先にも書いた通り、この本は自宅農園のエッセイで2013年出版である。
伊藤礼さんは1933年生まれなので出版当時は80歳である。
菜園を始めたのは十年くらい前とあとがきに書いてあったので、だいたい70歳に大学の職を退いてから始めた勘定になる。
この本はプロの農園手引きではなく、試行錯誤しながらまずはやってみるという姿勢でトライしたいろいろな実践とその感想が語られるエッセイである。
老年になって「趣味として農園をやる」というのはこういうことであるということがよくわかる本である。
個人的には、普通はお正月のおせち料理でしか食べない慈姑(クワイ)を、一年を通して食べるために自分で栽培するという話が印象的であった。
これもまた自宅農園ならではの自由である。