アジャン・ブラム「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」
第51話 問題の有無
マインドフルな毎日へと導く108つの小話
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イギリスの前首相ハロルド・マクミラン氏のインタビューの話である。
---あらすじ---
1967年にイスラエルはエジプト、シリア、ヨルダンと戦争をしていた。
インタビューでこの戦争についての意見を求められたマクミラン氏は、
「中東に問題などありません」
と答えた。
問題というのは解決法があるもののことであり、
中東の状況には解決策がない。
こう説明を加えた。
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「問題は何か」と問題設定を問い直すことには、
実に重要な意味がある。
同じ状況でも、捉え方が違えば問題設定も違ったものになる。
現実問題の多くは問題設定が正しいかということはわからないのであるが、
だからこそ問題設定を問い直したり、
別の問題設定を考えてみることは有用なのである。
そして、その前の段階には「問題とはそもそも何か?」という問いがある。
解決策が存在しないのであれば何もすることはできないのだから、
それは問題ではないという見方ができる。
これは勿論、戦争そのものがないという意味ではない。
問題を問い直してみると、実は何もする必要はないとわかることもある。
実は問題などなかったのだ。
一度、何かを問題だと思ってしまうと、
何か問題がある筈だという錯覚に陥ることがある。
気をつけねばなるまい。
解決策がない状況というのは、更に用心せねばなるまい。
マインドフルな心は、思い込みを捨てる。