W013

 

リチャード・シェパード 『不自然な死因~イギリス法医学者が見てきた死と人生』

中山七里 『連続殺人鬼カエル男』

横山光輝 『三国志 31』

 

 

 

別の法医学者の手記。世の中全ての法医学者の文書を目にしたわけではないが、いくつかの書籍によれば9.11や飛行機墜落事故のような国家(あるいはそれ以上)規模の災難事態に法医学者たちは大きなトラウマを得ながらも職業的に発展をするようである··· とても残念な事に。すべてのプロトコルは事件・事故が発生した後に確立されるということが身にしみて実感できる。

 

この本は、同じ類の他の書籍とは異なり、この職業が本人の家庭と結婚生活に及ぼす影響や本人が仕事と私生活を分離するためにどれだけ力を入れてきたのか、その結婚生活から離婚と再婚までの過程を一緒に叙述するという面で・・・最初は「え?こんなん?急に?」と感じもあったのだが、読み終えてみるとそれがまた良い点でもあった。仕事と私生活を分離···誰もがやりたがっているが、それが実は思い通りにうまくいかないということをすでに知ってしまったからでもあり。

 

どこですすめられてるんだっけな。すすめられて読んでみたのが、中々楽しかった。楽しかったということは犯罪の内容が面白かったという意味ではなくて.. 興味深い要素が多かったという。二転三転という構図だが犯人の裏側や真犯人というのはわりかし最初当たりで感づいちゃってて、それでもその全てを結つく完結がとても興味津々だった。刑法三十九条問題による責任や人権について最初から最後まで問いかけている。この部分はわりかしどの国も悩んでいる部分であるが果たして答えの出る議論であるかと言えば違う気がして。

 

そしてもう一つの特徴が、ちょっと..結構犯罪の描写がえぐい。残酷。自分は血の飛び散る映像も文も好きな方なので、読むのに苦しさを感じたわけではないのだが、たまに見ているとこの作家の深層心理危ういのではないかと思われる本がたまにある。中山七里さん..そういう意味で多少危ないかも?と感じたのが率直な感想。ただ「このミステリーがすごい!」の大賞受賞作だったという『さよならドビュッシー』の方はまた全く違ってたということなので、またそれを読んでみてから考え直すことにする。

 

カエル男のサユリもそうだし(ピアニストやらなんやら)中山さんはクラシック音楽に結構趣味があるのだなと。今は次作となる「カエル男の帰還」を読んでいる。

 

 

三国志、ついに馬超 登!場!や!幼い自分に人間が知と体両方とも持つことがどれほど貴重なことかを悟らせた将軍。相変わらず格好いい。それにしても今調べてみたらゲームのイラストなど改めて格好良すぎ。