- 卒業/重松 清
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4つの短編小説から構成されています。
この作家いわく「卒業」とは始まりを感じさせる終わりらしい・・・。
確かに4つともその共通点があったなぁ~。
重松作品は「泣ける」と言われているらしいですが、
ぼくは「流星ワゴン」に続き2作目にしてそれを痛感しました。
日本人的な同情をかうようなものではなく、結構深いところで
共感できるところが好きですね。
いわゆる「お涙ちょーだい」的な作品は逆にさめちゃうタイプなので・・・。
人それぞれ「泣ける」ポイントは違うらしいのですが、
ぼくは3つめ「卒業」と4つめ「追伸」がきました。
「卒業」は、26歳にしてまだ見ぬ子を残して自殺してしまった「伊藤」の
大学時代親友「渡辺」と、亡くなったあとで産まれた娘「亜弥」が
その「伊藤」の思い出を共有しながら自分たちの「今」を見つけていくような
ストーリです。
「追伸」は、幼いときに病気で母を亡くした作家が主人公。
母が闘病中につけていた息子に宛てた日記だけでも涙腺ウルウル・・・。
主人公はエッセイの中で、今の母親であるハルさんではなく、
日記の思い出となっているおかぁちゃんを自分の母親とする。
エッセイの中の母親との関係は、綺麗すぎていて、実際の親子って
もっと理屈じゃなくてうまくいかないものだってあたりが共感できます。
ハルさんとは、思いっきりいがみ合ったり、ぶつかり合ったりする訳ではなく
大人になるにつれ、どんどんと疎遠になっていく。
でも実はこういう関係が親子なのかもしれないなぁ~と思ったり。
不器用なハルさんが、それでも主人公を大切な息子だと思っているのが
だんだんと紐解かれていき、ストーリーの最後には、些細なことから
やぶられてしまった「おかぁちゃん」の日記をにハルさんからの「追伸」が・・・。
とにかく最後の2ページくらいはウルウルどころか、ボロボロでした。

