『黒焦げ美人』(岩井志麻子 文春文庫)

読了。


久しぶりに読む岩井志麻子はやっぱり岩井志麻子だった。


大正元年に実際に岡山で起こった猟奇殺人事件。実話を元に作られた話らしいが岩井志麻子の話にしてはパンチがいまいち効いていなかったような気がする。パンチってなんだよ、とか言われそうだけど例えばエロスとかグロとかエロスとかが足りていない。

読み終わった後の感想は「おもしろかった」なのだがなんだか煮え切らない感じが少し胸に残る。

余韻とかそういうのじゃなくて単に消化不良の胸焼けみたいな感じで。


ミステリにもホラーにもなりきれずかといって幻想小説かと言えばそうでもなく、ちょっと中途半端な感じが少し残念。いや、でもおもしろかったんだけど。

特に最後の手紙のシーン、人の業を綴っているところは非常によかったと思います。


でも本当にこの人は「岡山」が好きで好きでしょうがないのね、っていうのはよくわかりました。毎度のことですが。


岩井 志麻子
黒焦げ美人