おもてなしの経営学
中島 聡
アスキー新書
ISBN978-4-7561-5134-6

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)/中島 聡

¥790
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<目次>
第1章 おもてなしの経営学
第2章 ITビジネス蘊蓄
第3章 特別対談

サブタイトルに「アップルがソニーを超えた理由」とありますが、本書は現代に売れるモノを作るための方向性を「おもてなし」というキーワードで説明しています。

2000年以降にアップルはiPodで大成功し、その後,iPhone、iPadとヒットを連発しています。

その背景には、モノとしてのiPodだけでなく、その背後にあるiTunesとiTunes Storeとの連携が、非常に使い勝ってが良いのが勝因でしょう。


20世紀のソニーは、モノが優れていたことでブランド価値を高めました。

値段が高くても、「ソニープレミアム」として納得されたものです。


しかし、現代はモノの品質が高くても、それだけでは消費者には満足されません。

モノとそれを使うためのサービスをまとめて、品質で捉える必要があります。


その神髄が「おもてなし」というキーワードです。


日常生活でいう「おもてなし」は、モノとしてハードウェアを整える事と、ソフトウェアとして人を気持ちよく迎えるためのサービスの両面が大切です。

おもてなしを受けた側の心地よさをどう実現するか?が現代の経営には必要なのです。


本書の第一章ではその「おもてなし」を中心に展開します。

第二章は、IT技術者には興味深い内容ですが、一般読者には専門的すぎて理解が難しい部分があるかもしれません。

しかし、技術者の思考の特徴が分かることと、その中には技術を実現するためのさまざまな工夫と葛藤があり、読み物として面白い部分もあります。

第三章は対談です。

やはりIT寄りですが、それぞれの立場でITと実現したいことの違いが分かり、興味深いないようです。


ちなみに、対談は著者と、西村博之氏、古川享氏、梅田望夫氏なので、興味のある方はご一読ください。