つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む・つげ義春 の解説 | まさひこのの書評と解説のページ

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僕が読んだ本についての、書評と解説を書いてみました。

 

ちくま文庫の、つげ義春「つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む」(2008年10月刊行)は、1994年2月に刊行された「つげ義春全集6」(筑摩書房刊)を、文庫化したものである。

 

本書は、「ねじ式」などの「夢の作品群」と、それと並行するように描かれた、著者自身を思わせるマンガ家と若い妻を主人公にした、私小説風な「日常もの」の作品が、計16作品、収録されている。

 

以下、飛び飛びではあるが、一言感想を、並べていく。

 

ねじ式 ── ケッカン …… そんなバカな!

夢の散歩 ── 作者は、この作品について「ストーリィの意味を究極まで問うと、必然的にこうなるのだ」という。…… で、ストーリィの意味を究極まで問うと、こうなるのかい ……。

夜が掴む ── この作品の、貧しさによる無数の「黒」に、僕の心は、掴まれた!

必殺するめ固め ── 妖怪ふんどし、何故捕まった??(笑)

窓の手 ── ハイ!入れ歯にまつわるロマンス!

退屈な部屋 ── 後半の作品「夏の思いで」以下始まる「日常もの」に登場する若夫婦の住むアパートは、当時、作者が実際に住んでいたアパートに酷似しているという。アパート名「ひなげし荘」。この雰囲気好きだなあ …… 片や「退屈な部屋」の、何だこの窓!?

日の戯れ ── 心が和む、あたたかなお話。

 

つげ義春は今回初めて読んだが、私小説風作品群「日常もの」は、なかなか好きである。一方で、「ゲンセンカン主人」という作品は、嫌いだ。つまらないと思う。