小説中に、僕が過去に肉体関係を持った女の子について書かれているが、彼女は何故か、僕の洗いたてのTシャツを盗んで、僕のアパートから姿を消してしまう。
また、こちらは詳しく書くのを控えますが、ある種の問題に正解した僕は、数日後に一枚のTシャツを手に入れる。文中、そのTシャツのイラストが唐突に、どーんと出てきて、小気味よい。
などの描写から、今回浮かび上がってきた曲は。杉山清貴の「僕のシャツを着てなさい」である。1994年7月25日発売のシングルで、同年発売のアルバム「ADD WATER」にも収録。1998年発売のベストアルバム「15 SUMMERS SUGIYAMA,KIYOTAKA GREATEST HITS Vol. II」のほうにも収録されている。
キャッチーなタイトルのシングル。そのせつない歌詞世界は、聴き手自身の記憶の中の夏の日の、何かの喪失をも思い起こさせる。当時、売り上げには恵まれなかったが、色褪せない名バラードである。