夢を見たんだ。
 とても、なつかしくて、とても、愛しくて。
 とても、哀しい。

 「……」
 「……どうしたの? 哀しい夢でも見ました?」

 横になったからだに力は入らない。
 桜が舞っている、花びらが頬をなでる。
 目の前には、とても美しい女の人。
 桜色の着物を羽織っている、まるで桜のように儚い人。

 「……哀しい、夢を見たんだ」

 口が、動く。
 ふわふわとしたまま、頭は回らない。

 「でも、どんな夢か、わからないんだ」
 「……大丈夫」

 優しい声だ。
 ゆっくりと頭をなでられる。

 「……大丈夫ですよ。 大丈夫、だから」

 優しい手が、眼を覆う。

 「大丈夫だから、今は、しっかり眠って」

 あぁ、眠くなんてないのに。
 優しさと、暖かさで目が眩んで、落ちていく。

 「もう一度、やり直しましょう。 ――さん」