紙にはこう書かれていた。


 借用書


 金壱千円

 右金額正に借用いたしました。

 返済は明治五年七月十六日より百二十年の間に、借用者の子孫により返済のこと。利子は年利十四パーセントとする。


 明治五年七月十六日

 田中 一


明治と書かれているが、ワープロで打たれた、まったく今の時代の日本語だ。


たなかはじめ・・・どこかで聞いたような名前だ。


その思考を読んだかのように、子供は年齢にそぐわない営業スマイルと口調で言った。


「はい。お察しの通り、この借用書に書いてある名前はあなたのお父さんの曾々お爺さんにあたる方です」