秋華賞回顧 | 競馬ブック CPU泣き笑い 

競馬ブック CPU泣き笑い 

競馬ブックのコンピュータ予想担当者が活用法などを伝授!

 勝ちタイムが1:58:6とケイバブックの推定タイム1:57:3より1.3秒遅いものでした。

レースはクロコスミアが逃げ、それに絡む馬もいなく、前半3Fを35.8秒と速いタイムが出る今の京都芝としては非常に遅い前半でした。この日の7レース1000万下古馬1600芝の勝ちタイムが1:32:2とケイバブック推定タイムより1秒速いものでした。そしてその前半3Fが34.1秒でした。秋華賞は距離が400㍍長いので、少し遅くなることを想定しても35.8秒は、この馬場及びクラスを考えれば非常に遅いものです。

そしてその結果、後半3Fを33.4秒を最速に10着ぐらいまでが33秒台のレースとなりました。こうなるとよりロス無く真っ直ぐ走った馬が上位に着ます。勝ったヴィブロスは全姉にヴィルシーナがいます。姉とは少しタイプが違います。

このヴィブロスの最大の特徴は、ホームを崩すことなく真っ直ぐ走れることです。競走馬にとっては非常に大事なことです。4本の脚を動かす筋力(神経も)のバランスがとても良い馬だと思います。今回のレースの前々走中京芝左でも真っ直ぐ走っていました(左右真っ直ぐ走れる)。内にササる馬、外に膨れる馬が多々いるなかで真っ直ぐ走れるとの印象を持っていた馬です。今回はその類稀な能力が威力を発揮しての勝利でした。

私が今まで見た中ではスティルインラブ(牝馬3冠馬)に匹敵する正確な走法の持ち主です。今後も活躍する馬だと思います。

それに比べて惜しかったのが4着ジュエラーです。桜花賞優勝時のように直線で前に馬がいない外を追い込めていたら、豪快に伸びていたと思います。

チューリップ賞の上がり3Fが33.0秒。桜花賞も同じ33.0秒で上がっています。自分の前に壁がない状態(馬がいない位置)では豪快に伸びます。しかし今回のように外に出せず、もちろん真っ直ぐには走れず(直前に馬がいる)で、仕方なく内を突きました(進路をかえる)がそのような競馬をさせると速力を巧く上げることが出来ないようです。走るリズムを2,3歩で作れる器用な走法が出来ないようです。直線を真っ直ぐ走って、その中でリズムを作り速力を増す、そのような走法の馬です。

レース後に騎手のコメントとして騎乗したM.デムーロジョッキーが、同じようなことを言っていました。やはりそうだったのかと確信をもちました。

内枠に入ったこと。道中スムーズにロスなく外に出せなかったこと。この馬には不利な状態で直線を向きました。ペースが遅かったこともあり、自身より前に位置した馬もある程度脚が残っている状態であったと思います。それを交わして捌くことが現状できないことが判明しました。

外をスムーズに追走できての直線となるか、4角で巧く外に出せての直線となるか、そのようになっていたならば結果は変わっていたかも分かりません。

運も実力の内です。勝ったヴィブロスが直線真っ直ぐ走れる位置に居たのも運かも分かりませんが、私の目にはスプリンターズSで断然一番人気なり、直線外にも出せず、内にも入れずの 競馬になってしまったビッグアーサー騎乗の福永ジョッキーが、同じ轍を踏まないように考えての素晴らしい騎乗が光ったレースでした。

このように今回は馬の力、スピードといった競走馬の本質的な能力を競うレースではなく、日本競馬の特徴である直線ヨーイドンの競馬であったといえます。そうなると本質的な力以外に前記した馬の特徴(向き不向き)が大きく左右します。本来ならば基本的な能力比較が先ずあり、次に繊細な馬の能力比較となるべきが、残念ながらそこまで達していないレースでありました。世界に通じる強い馬作りの観点からは少し不満の残るレースでした。

 

   それでは皆さん  GOOD  LUCK(TY)