Humankind 希望の歴史  人類が善き未来をつくるための18章

Humankind

 

 

 

本国オランダでは発売忽ち25万部突破、世界46カ国ベストセラー!

近現代の社会思想は、”性悪説”で動いてきた。

・ホッブズいわく「万人の万人に対する闘争」
・アダム・スミスによると、人は損得勘定で動くホモエコノミクス
・ダーウィンが唱えた、自然淘汰説
・ドーキンスは『利己的な遺伝子』を執筆
・少年たちのいじめ本性を描いた『蠅の王』がノーベル文学賞

また”性悪説”を裏付けるような心理学実験や人類学の調査がなされてきた。

・スタンフォード監獄実験(人は役割で容易に悪人になれる)
・ミルグラムの電気ショック実験(ナチス「凡庸な悪」の説明根拠に)
・イースター島絶滅の謎(内戦が理由とされ人肉食説すら唱えられた)

だが、これらは本当か。著者は、”暗い人間観”を裏付ける定説の真偽を確かめるべく
世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、エビデンスを集めたところ意外な結果に辿り着く。

なぜ人類は生き残れたのか。民主主義や資本主義や人間性の限界を踏まえ、
いかに社会設計すべきか、どう生き延びてゆくべきかが書かれた「希望の書」。

 

「Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章」は、オランダの歴史学者であるルトガー・ブレグマンが著した書籍です。本書は、人類史において「善き未来」を実現するための可能性について論じています。

 

ブレグマンは、本書の中で人間の本性について探究し、人類史において善き未来をつくるための方法を考察しています。彼は、人間は本来善良であるという仮説を立て、それを実証するために多くの研究や実例を引用しています。また、彼は善意や協力、共感、信頼などの概念が、人類史上でどのように機能してきたかを分析し、人間の協調性や共感性に焦点を当てています。

 

本書は、人間の本性に対する理解を深め、人類がより良い未来を実現するためのアイデアや戦略を提供することを目的としています。そのため、本書を読むことで、人間の善性や協調性、共感性について新たな視点を得ることができるでしょう。

 

 

 

性善説と性悪説

 

○性善説とは?

 

「性善説」とは、人間は本質的に善良であるという考え方です。この説によれば、人間は自然に善良な行動をする傾向があり、他者を尊重し、共同で生活することが自然な状態であるとされます。

 

「性善説」は、古代中国の哲学者孟子が提唱しました。彼は、人間は本来、仁や愛などの美徳を持っていると考えていました。また、18世紀の哲学者ジャン・ジャック・ルソーは、人間は自然状態においては自由で平等であり、善良な本性を持っていると主張しました。

 

「性善説」は、多くの人々にとって希望に満ちた考え方であり、倫理的な指針や社会的な問題についての議論にも影響を与えてきました。一方で、人間には欲望やエゴイズムといった負の要素も存在するため、「性善説」に完全に賛成するわけではないという見方もあります。

 

○性悪説とは?

 

「性悪説」とは、人間は本質的に自己中心的で利己的であり、他人を傷つけたり、社会的なルールを破ったりすることが自然な状態であるという考え方です。この説によれば、人間は善良な行動をするのは自己利益のためであると考えられます。

「性悪説」は、古代ギリシャの哲学者ホメロスにさかのぼりますが、特に17世紀のイギリスの哲学者トマス・ホッブズによって有名になりました。ホッブズは、「人間は自然状態において戦争状態にあり、生存のために他者を攻撃し、支配することが必要である」と主張しました。

「性悪説」は、社会問題や倫理的な問題についての議論に影響を与えてきました。一方で、多くの人々は、人間には道徳的な良心があると考えており、「性悪説」は過剰に悲観的であると批判することもあります。

 

この本の読者レビューはどんな感じ?

「Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章」に対する読者のレビューには、様々な意見がありますが、以下に一般的なポジティブなレビューとネガティブなレビューをまとめてみました。

ポジティブなレビュー:
・人間の本質的な善良性を再認識することができる本である。
・読んでいるうちに前向きな気持ちになり、人類の可能性を信じることができるようになった。
・ブレグマンの説明は分かりやすく、引用された例も興味深いものが多い。

ネガティブなレビュー:
・著者が主張する善良性に関する仮説は根拠が薄いと感じた。
・本書は単なる理想論であり、実際には現実的ではない。
・著者が提示するアイデアや解決策は、実現が難しいものばかりである。

一般的に、この本に対する評価は比較的高い傾向にあります。多くの読者が、本書によって人間の可能性や善性について再考することができたと評価しています。ただし、一部の読者からは、著者が提示する仮説や解決策に対して疑問や批判が寄せられることもあるようです。

 

著者のルトガー・ブレグマン(Rutger Bregman)はどんな人?

ルトガー・ブレグマン(Rutger Bregman)は、オランダ出身の歴史学者、作家、ジャーナリストです。1988年にネーデルラントで生まれました。

 

 

彼は、オランダのユトレヒト大学で歴史学を学び、2008年に学士号を取得しました。その後、彼は「自由民主主義者フォーラム(Libertarian Forum)」という雑誌の編集者として働き、さまざまな書籍を執筆してきました。2013年には「歴史の実験室(The History Laboratory)」という書籍を出版し、オランダでベストセラーになりました。

ブレグマンは、現代の社会問題について独自の視点を持ち、自由主義の価値観を再定義することを提唱しています。彼は、国家の役割や経済政策、世界の貧困問題、教育、社会正義などについて広く知られています。

彼はまた、TEDの講演で知られており、2017年には「貧困撲滅の可能性(Poverty Isn't a Lack of Character; It's a Lack of Cash)」という講演で話題となりました。この講演は、世界中で1000万回以上再生され、社会的不平等と貧困問題についての議論を促しました。

彼は現在、フリーランスのジャーナリストとして活動しており、様々な出版物に寄稿しています。

 

こんな人に、この一冊!

「Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章」は、人間の本性や社会性に関する深い洞察を提供する本です。この本は、歴史的な出来事や科学的な研究を紹介しながら、人間は本来善良であり、協力や共感が社会進化の原動力であることを主張しています。

 

この本は、社会学、心理学、哲学、歴史に興味がある人や、社会の問題や課題について深く考えたい人におすすめです。また、現代社会の問題に対する新しい視点を求める人や、人間の本性に関する深い洞察を得たい人にもおすすめです。