ホストの世界 -真夜中への招待状-
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ホストの世界 -真夜中への招待状-
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ということで、今まで自分とは全く関係のない世界だったし、これからもそうなるであろうホストについて本からだけでも少し勉強させてもらおうと思って読んでみました。
著者自身が現役ホストとして働いているのもあって、内容はとても興味深くて面白いネタがたくさん書かれています。何よりも著者の文章力がとてもすぐれていて、読みやすいです。また一人称が「私」ではなく「俺」であったり、「ですます」を使わないところも雰囲気?が出ていて非常に好感が持てました。
僕自身もそうなのですが、ホストのことを全く知らない者にとっては、いかに偏見や先入観でホストという職業を見ていたのかと考えさせてくれる一冊になると思います。僕は極端にマイナスイメージを持っていたというわけではありませんが、やはりメディアが取り上げるホスト像というものに思考が縛られていて、あまり良い印象を持ってはいませんでした。
しかし、この本はホストという仕事はとても人間くさくて面白みがあって、刺激的だということを教えてくれました。だからといって、「やりたい!」とは全く思いませんでしたが・・・。
どんな人でも多くの顔を持っていて、その一方でその多くの顔を出すことができる場所が見当たらず困っている人もたくさんいます。ホストはそういう人(女の人)を「仕事・営業」という形で楽しませ、リラックスさせ、ニーズを引き出す努力をする。その対価としてお金を受け取る。ホストという仕事は華やかなイメージを持ちがちだったのですが、その裏にある地道な側面をほんとに少しだけだと思いますが、知ることができました。
この作品を通して、著者がとても人間的に大きい人物にうつりました。ホストとして、毎日多くの刺激を受けながら、多くの人と出会い、感じ、考えることによって磨かれたのだと思いました。作中では、ホストのことだけではなく、死生観や人生観についても考えさせてくれる部分があります。著者のことは全くしらないんですが(笑)
とても考えさせられた部分を勝手ながら引用させてもらいます。
振り向くと「過去」には延々と歩いてきた足跡が一本の道として残っている。
先の方には行き着く先の見えない「未来」への道が、
今時分が立っている「現在」と言う点から何百と分かれて伸びている。
そしてその一つ一つの道はそれぞれ違う未来へ通じている。
何もない平凡な日常を過ごしてるように感じてても、
自分が立っている一秒単位の「今」という点は常にいくつかの道への分岐点だ。
そこで知らず知らずの間に俺たちはいろんな選択をしながら進んでいる。
その無意識の選択が、全く違う未来へ続く
大きな分かれ目になっているかもしれないことに気付かないまま。
だから「今」は、一瞬なのだけれどすごく大切な時間だ。
常にそこに選択枠があることを意識してると、平凡な日常でも面白い。
ホストに興味がある人もない人も、ホストクラブに行ってみたい人も一度は読んでみて欲しい本です。

