聖の青春
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聖(さとし)の青春
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やまとさん
の紹介で読みました(^o^)
最近読んだ本でとっても感動したもの。大崎善生の「聖の青春」。ノンフィクションです。語らぬ想いで通い合った師弟愛に胸を打たれます。機会があれば是非。
というやまとさんの紹介されたままの内容でした。
◆啓発書よりも「生き方」を考えさせられる一冊◆
この本は村山聖をよく知り、愛している人間が書いたからこその良さがあります。この本全体から、作者のそして周りの人間の愛が伝わってきます。
村山聖という一人の棋士の生涯をつづった一冊です。幼少にネフローゼ になり、病と闘う中で「将棋」と出会います。将棋と運命の出会いを遂げた聖は、無我夢中に将棋の世界にのめりこんでいきます。
聖は「名人」という夢に向かって、がむしゃらに純粋に努力していきます。森師匠、打倒すべき目標として掲げた谷川プロ、そして羽生喜治をはじめする同世代のライバルたち、そして家族。数々の出会いの中で成長していきます。
誰よりも「勝負」にこだわる反面、弱いものを淘汰して勝ち上がっていくことに嫌悪する・・・そんな矛盾とたたかうやさしさが彼を強くしていったのだと思います。
息子の病気に対する責任を果たすために、何を言われても献身的に息子に接する母・トミコと父・伸一の姿に感動させられました。そんな母親の愛情をうっとおしく感じ、冷たくあたる聖。そんなぎこちないコミュニケーションの中に揺るぎない家族の愛を見出した気持ちでした。
同じく、親子のように近い距離で接する森師匠と聖の師弟愛は現代社会では貴重となってしまった強く深い「絆」があり、これにもまた感動しました。
長い入院生活の中で、自分の周りで起きる「死」を近くに感じ取り、だからこそ一つ一つの「生命」を大切にするやさしさを持っています。そして、ネフローゼという体の一部となっている病気との生活の中で、日々を真剣に生きることの大切さを実感し、実践しています。
誰に対しても純粋で、素直でそれでいて頑固な姿勢に惹かれて、多くの仲間が聖を慕い集まってきます。本の随所で書かれている聖と仲間、ライバル、家族とのエピソードのひとつひとつが愛情に溢れていて、印象深いものばかりです。
書けば書くほど、自分の読後の気持ちが上手く表現することができずもどかしい気持ちです・・・。
「死を意識して生きること」によって「目標に向かってひたむきになる」ことに繋がっていたのだとすれば、「死を意識すること」自体が難しくなっている現代では、聖の生き方はあまりにも強烈なのかもしれません。僕自身がその現代に生きる人間の一人で、聖の生き様を知って自分の甘さに情けない気持ちになるばかりです。
◆心に残ったことば◆
最後に衝撃を受けたことばを引用します。母が聖の家で発見した一枚のメモです。
聖の悩み、葛藤が直球で伝わってくる感じがしました。
まだ、自分の中で消化しきれていませんが、紹介したいと思います。
今の俺は昨日の俺に勝てるか。
勝つも地獄負けるも地獄。
99の悲しみも1つの喜びで忘れられる。
人間の本質はそうなのか?
人間は悲しみ苦しむために生まれたのだろうか。
人間は必ず死ぬ。必ず。
何もかも一夜の夢。
将棋は、小学校の時によくしていました。振り返ってみると、そのころが東の羽生・西の村山、天才と奇童が大活躍していた時期でした。恥ずかしながら羽生プロしか知りませんでしたが、この本を通して棋界に生きるプロの姿を見ることができました。そして、もっともっと自分の気持ちを上手く表現できる文章力がほしいと強く思いました(>_<)
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