進化しすぎた脳 | Book Review’S ~本は成長の糧~

進化しすぎた脳



著者: 池谷 裕二, 長崎 訓子
タイトル: 進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線
★★★★★★★★★☆



今月の10冊 で近藤雄策さんが紹介 されていたので、買って読んでみました。脳については昔から「どんな仕組みになっているんだろう?」と疑問に思うことはありましたが、本を読んで調べるということは全くしたことがありませんでした。

作者は約2年前に出版された「海馬/脳は疲れない 」という本の著者でもある、薬学博士です。慶応義塾ニューヨーク学院高等部の子供たちに脳についての講義をしている内容がそのまま載せられています。

まず、高校生とは思えない質問や回答が次々と子供たちからされていて頭の良さにビックリしました。高校生時代の自分だったら論外ですし、今でも講義を受けた高校生よりも知識がないと思います(苦笑)そして、講義内容をそのまま本にしているので全てが話し言葉だったのが少し読みにくかったです。講義の様子を想像しながら読むとそれはそれで面白かったのですが。

◆内容(引用もしながら)◆

今まで「何でこうなるんだろう?」と疑問に思っていたものが解決したり、衝撃の内容がいくつもあったりしてとても勉強になりました。講師である池谷さんは最新の研究発表も混ぜながら、高校生にわかりやすいように講義されています。

タイトルである「進化しすぎた脳」については、早い段階で書かれています。簡単に書くと、「身体が脳の性能を決定している」ということになるそうです。ほとんどの人が知っていることだと思いますが、人間は脳を100%使いこなせていません。いわゆる「宝の持ち腐れ」状態だというのです。何よりも衝撃だったのが、原始的と言われているネアンデルタール人クロマニヨン人の子供を現代につれてきたら順応するという考えでした。

つまり、
人が成長していくときに、脳そのものよりも脳が乗る体の構造とその周囲の環境が重要

となり、初期の人類の段階から脳は現代に通用するものだったということらしいのです。今よりも使いこなせていなかったようです。例えば、もし人間が手足が4本ずつに増えたとしてもしっかり使いこなせるということですね。

こんな感じで面白かったところを書いていくとめちゃくちゃ長くなるので、残りは本当に簡単にだけ紹介しますね。

見るという行為は意識してしているものではなく無意識の行為となります。それは二次元の構造の目が三次元の世界を理解するために脳がその不足を補っているからとなるそうです。同様に人が作る世界は、自分たちの目の能力の範囲で見えているもので、つまり脳が作り出しているそうです。

興味深かったのが脳とコンピュータの違いです。脳があいまいなことにより、人は想像と創造ができる「人間味」を持つことが出来ているそうです。このことについては脳の神経細胞レベルから説明がされていて、とても面白いです。特に僕のゼミで勉強している「複雑系」の話が出てきて興奮してしまいました(笑)複雑系は本当に複雑でなぜ必要とされているのかさえ100%理解できていなかったので(^-^;

最後のトピックであるアルツハイマー病も、決して若いからといって安心していられない病気なのでためになりました。現在はまだ完全な治療方法は見つかっていませんが、さまざまな研究発表や治療実験が紹介されていて、科学のすごさを見ました。アルツハイマー病について話している中で心に留めておきたい言葉があったので引用します。

たぶん、人間って生き物は長生きしすぎなんだ。今は医療の技術が進歩して、長生きするようになって本来なら発祥しなくていい病気にかかっている。現代の人間は長生きしちゃうからこんなしわ寄せが出てきた。現代社会とはそういう歪んだバランスの上に成り立っているんじゃないかな。

技術の進歩によって、環境に人間が適応するのではなく環境を人間に都合のいいようにいじくるようになっています。このしっぺ返しはいつか必ずくるでしょうね。

◆感想◆

もうとにかく面白いです!!一度でも脳について疑問を持ったことのある人は読んで損はしません。今まで脳の仕組みなんて知ったところで、何の意味もないしどうでもいいやって思っていた人もぜひ読んでみてください。つまり、みんな読んでみてくださいってことですね(笑)

現代社会は技術の発展によって、人間の身体能力や脳は退化していっていると言われています。たしかに運動能力を担当する脳は退化しているかもしれませんが、パソコンをはじめとする情報機器の普及によって、今まで未開発だった一部の脳が目覚めたりしてるかもしれないですね。

脳の研究がもっともっと進んだら、全員がテレパシーを扱ったり、物を動かせるようになるかもしれません。そういう世界を想像すると楽しい反面恐ろしいですね。

もっともっと書きたいということは、やっぱり僕はまとめるのが下手糞なようです(^-^;あとは実際に本を手にとって読んでみてください☆書けなかったのですが、言葉があるからこそ人はここまで発展することができたし、意志ある動物として存在できているそうです。海馬も購入しているので、近いうちに読みます♪

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